上京 3
リビングにポットがあったので、お湯を沸かす。
マネージャーさん用かな、インスタントコーヒーの粉があった。
適当にマグカップを用意していると、タマもトーマスのカップを持ってきた。
「タマも、飲む?」
首を振りながら、もう一つの手に持ったミロを出してきた。
「これ、作ってください。」
コーヒーは、飲めないもんね。
お湯が沸いた。
「タマ、あのゲージは何?」
タマの後ろで、雑巾がけをしている白ウサギがいた。
「ミュウちゃんだよ、かわいいでしょ?」
あらら、本当にかわいい。
メイド服を着て、一生懸命お掃除をしている。
「ミュウちゃん、賢いわね。女の子かな?」
«ブッ、ブッ!»
鳴き声は、かわいくない。
ちょっとまん丸で、タマみたいだ。
抱きしめると、毛がフサフサして気持ちいい。
「ミュウちゃん、いいなぁ。」
私は、ミュウを降ろして片肌脱いでブラをずらした。
「タマ、おいで。」
「うん!」
タマが、飛びついてきた。
そのまま、私のおっぱいに吸いつく。
ゴクゴク、飲んでる。
私は、タマといると母乳でおっぱいが腫れてくる。
飲んでもらうと、楽になるけど。
高校時代からの、習慣だ。
「いっぱい、飲んでね。」
「うん、オイチ!」
たまに、この子の母親になったと錯覚する。
タマだけに。
ジト目で、見つめるタマ。
何?
私は服を直し、窓から景色を眺める。
あれ、あのコンビニって?
と言う事は、あそこは。
なんと、このマンションの隣のとなりが私の寮だった。
「タマ、来て。」
「何?」
私は、タマの腰をつかんで高い高いをする。
「あのコンビニの向かいの建物、私の寮よ。」
「近っ、本当に?」
「うん、あの三階の右橋が私の部屋。」
「良く、分かったね。」
「出る時、下着を干して来たから。」
「わっ、派手!」
「うるさいわね、カエルパンツちゃん。」
今、タマはわかめちゃんスタイルなのでカエルパンツが絶賛公開中である。
タマとは、不思議な縁がある。
進学率の悪いうちの学校で、偶々一緒の大学に進学した。
中学から、ずっと同じクラスだった。
部活も、一緒。
何だろ?
「私、一回寮に戻るわ。」
「一回?」
そのまま、部屋を出て来た。
びっくりよ、ヘタしたらストーカー行為だわ。
私は、女だけど。
タマは、子供だからわからないだろう。
部屋に帰って洗濯物を取り込んでいたら、タマが窓開けて手を振っていた。
私も手を振り返し、部屋に戻る。
何で、私ドキドキしてるの?
まぁ、いいわ。
寮母さんに外泊許可をもらい、そくさくとタマの部屋に行く。
あっ、入れない。
どうするんだっけ、タマが来た。
「お帰り、麻里ちゃん。」
泣いちゃった!
その後、入り方を教えてもらいスペアキーももらった。
タマの柔らかい膝枕で、ヨシヨシしてもらった。
ミュウちゃんを抱きながら。
良かったら、読んで下さい。
生きる糧に、なります。