陽介の企み。
ファミレスで皆と別れて、駅に向かう。
ホテルの前を通っていると、横から声を掛けられた。
「進藤さん、話があるんだ。少し、時間いいかな?」
気持ち悪い、陽介だった。
他の陰キャメンバーが、帰って行った。
「私は、話なんて無いわ。さようなら。」
「いや、ユウナの事なんだ。」
ユウナが、オロオロしている。
「尚更、無いわ。構わないで!」
「お姉ちゃん、迷惑じゃなかったら聞いてあげて。」
「ユウナは、いいの?」
「ちょっと、恥ずかしいけど一緒に暮らしている以上は知っていて欲しい。」
「ユウナがそう言うんなら、しょうがないわね。」
「じゃあ、車取って来るよ。」
ちょっとして、高級外車が目の前に停まる。
相変わらず、むかつく!
後部座席のドアを開けて、陽介が促す。
「で、どこに行くの?」
「悪いけど、俺ん家へ行く。人に聞かれたくない話も、あるから。」
「えー、ユウナは行った事あるの?」
「無いよ、ボクも初めて。」
「どこにあるのよ。」
「上板橋って、ところだ。お前らのマンションからも、さほど遠くないぞ。」
「ふーん、変な事しないでよ。」
「しないよ、命あっての物種だからな。」
いつも、してるクセに!
しばらくすると、地下駐車場に入る。
車を出て、地上に出ると向かいにラーメン屋さんが在った。
「ここのつけ麺、旨いぞ。」
「お姉ちゃん、帰り食べて帰ろう。」
「うん、そうね。」
ユウナ、男の一人暮らしの部屋に行くのよ。
最上階の、ワンフロアーらしい。
これだから、金持ちは。
お前、予備校生だろ。
リビングに、入る。
「適当に、座ってくれ。」
意外と、綺麗に片付いている。
冷蔵庫から、ペットボトルを出してテーブルに置く。
「好きなの、飲んで。」
「結構、ちゃんとしてるわね。」
「あぁ、そこそこ几帳面だからな。」
「ユウナ、何してるの?」
「あっ、おやつ忘れてたな。それと、これクマさんのぬいぐるみな。」
こいつも、甘やかしさんか。
「でっ、話って。」
ユウナが、たまごっちで遊んでいる。
あんたの、話だよ。
全く、自由なんだから。
「あぁ、進藤さん医学部だろ?専攻は?」
「何か、関係ある?」
「イヤイヤ、そんなに警戒しないで。って言っても、無理だよね。」
「あんた、何であの大学に行きたいの?あそこ、相当難しいでしょ。その前に、そんなに勉強出来ないでしょ?」
「手厳しいな、確かに難しいな。親の跡継ぐんなら、どこでもいいんだがな。」
「あっ、ウンチ!」
「ユウナ、トイレ行きたいの?」
「ううん、ごっちがウンチまみれ。」
「あっ、そう。」
「進藤さん、ユウナが可愛いんだね。」
「そうよ、だから貴方が憎いわ。」
「うん、知っている。それでも、ユウナの大切は俺じゃないから。」




