剣術指南役
泣きベソユウナが、止まらない。
「ユウナ、ゴメンね。気がついたら、全部食べちゃったのよ。おかわりすれば、良かったのに。」
「いらない、お姉ちゃんのバカ!」
どうしよう、こんな往来じゃオッパイもあげられないし。
とりあえず落ち着かせる為に、公園のベンチに座る。
「ユウナ、カレーすごくおいしかったわ。ありがとうね、又美味しい所に連れて行ってね。」
「お姉ちゃん、カレー好きだったの?」
「いや、カレーもだけど今度は別のがいいな。」
「うん、今度はヒルトンのデザートバイキング行こう!」
良かった、話題を逸らせた。
自動販売機でホット飲料を買ってくると、ユウナが複数の男に取り囲まれていた。
「お嬢ちゃん、迷子かな?お兄さんが、遊んであげるよ。」
「いやだ、あっち行け!」
「聞き分けの悪い、ガキだな。これは、お仕置きが必要かな?こっち、こいや!」
「何、やってるの!」
「お姉ちゃん!」
「ほう、こりゃベッピンのお姉さんだ。この始末、落とし前つけてもらおうかな!」
「この子が、何したって言うの!人を呼ぶわよ。」
「どうぞ、俺達はこの辺を取り仕切ってるカラーギャングだ。誰も、逆らえねーよ。」
一人の男が、私の腕を取り引き寄せる。
「お姉ちゃんに、触るなゴリラ!」
「口が悪いな、ガキ!おい、二人とも連れてって可愛いがってやろうぜ!」
【おう!】
ユウナに取りつこうとした男が、蹲ったまま動かなくなった。
ユウナの左手に、金属の棒が握られている。
銭形の人が持っている、十手みたいだ。
あっという間に、全員地面とお友達になっていた。
「お姉ちゃん、行こ!」
「うん、わかった。」
改めて今度は、冷たい飲み物を買って飲み干す。
「はぁ~、危なかった。ユウナ、凄いね。やっぱり、強いんじゃない。」
「うん、棒を持っていればね。」
「いつも、持ち歩いているの?」
太もものバンドから飛び出して、シャキーンと振る。
10cmにも満たないそれが、50cm位に伸びる。
「格好いいでしょ、この間警視庁に挨拶行ったら決勝で戦ったお巡りさんからもらったんだ。」
「警視庁、何しに行ったの?」
「剣道の稽古をみて欲しいって言われて。ボク、警視庁の剣術指南役になってて言われて。もちろん、ムリって断ったけど。」
そんな子に乱暴しようなんて、アイツらは馬鹿だわね。
「お姉ちゃん、帰ろう。ボク、口さびしいよ。」
先から、ずっとオッパイにまとわりついている。
マンションに帰ってすぐ、ソファーに押し倒されてずっと責められ続けている。
そろそろ、意識が飛びそう。
気がついたら、お風呂の中だった。
まだ、するのユウナ。
あっ、両方同時はダメよ。
もうね、私……。
「おはよう、お姉ちゃん。もう、お昼だよ。」




