表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
初春から村は大忙し

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

976/979

第869話 不安な話と、チョロいエイデン

 村人たちが盛り上がっている中、エイデンはどこにいるのかと思えば、ドラゴンから離れた場所でネドリさんと真剣な顔で話をしている。

 何かあったのかな、と少し不安になりながら見ていると、私の視線に気が付いたのか、ぱぁっと笑顔になって、こっちに足早に向かってきた。

 そんなエイデンを見送るネドリさんは苦笑いしている。


「五月!」

「あ、うん。凄いの狩ってきたね。どこにいたの?」

「おお、前にネドリたちの村があった場所よりも奥のほうの谷で見つけてな」

「えっ、こんな大きいのが!?」


 うちに移住してくる前に大量の魔物に襲われたネドリさんたちの村。エイデンが助けに行ってくれた時には、ドラゴンがいたなんて話はなかったと思う。


「元々、こいつは地中深くにいるヤツで、地上に出てくるのは稀なんだがな」


 エイデンが親指で指さすドラゴンは、アースドラゴンというやつらしい。よく見てみれば、古龍のエイデンとは違って羽がなかった。

 ドラゴンというよりも、恐竜に似ている気がする。私の中で恐竜といえばティラノサウルス。それよりも腕は大きくて太そうだ。


「どこかこいつらの生息地の地底の洞窟が、地上に繋がったのかもしれん」


 ちなみに、火山や、大きな湖や海、高い山に棲んでいるドラゴンもいるにはいるそう。ただ、このアースドラゴンほどは大きくはないらしい。

 

「え、こいつら、って言った?」

「ああ。アースドラゴンは群れて生きるからな。こいつが一匹いるなら、少なくとも他に五、六匹はいてもおかしくない」


 エイデンの言い方、まるでGみたいだわ、と一瞬顔が引きつりそうになる。

 しかし、こんなデカいのが、まだいるのか、と思ったら、ゾッとする。


「ネドリに、あの辺の地形を確認してみたんだが、ヤツにも記憶がないらしい。獣人たちがここに移住した後に、何かあったのかもしれないが」

「あの辺りって、近くに村ってなかったよね」

「森から少し離れたところにはある」

「大丈夫なの?」

「さぁな。だからさっき、ネドリと話してたんだ」


 元Sランク冒険者のネドリさんだったら倒せるのか、と思ったけれど、渋い顔でドラゴンを見ているネドリさんの横顔の様子では、厳しいんじゃないかという気がしてくる。


「で、どうするって?」

「一応、獣王国の冒険者ギルドに連絡をいれるようだ」


 ネドリさんですら厳しそうなのに、他の冒険者たちで大丈夫なのだろうか。


「……でも、あんな大きなドラゴンなんて、エイデン以外に倒せるの?」


 古龍のエイデンだから狩ってこれたんじゃ、と私は思うのだけれど。


「まぁな! 俺以外じゃ、厳しいかもしれんな!」


 鼻高々という感じで胸を張るエイデン。ちょろい、ちょろすぎる。


「万が一の時は、エイデンも手伝ってあげてよね」

「五月が望むなら」


 ニッと笑うエイデン。

 冗談ではなく、本当に頼むよ、と思った私。

 ちなみに、ドラゴンだけに共食いじゃないのか聞いたら、あんなトカゲのデカいヤツと一緒にするな、と怒られた。

 ……エイデンでもドラゴンをトカゲ扱いするんだ、と、ちょっと笑いそうになった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ