表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
楽しい冬ごもり
959/959

第854話 免許更新に行く

 私は今、稲荷さんの運転する車で移動している。免許更新のために、最寄りの警察署に行くためだ。

 それにしても、稲荷さんのこちら(日本)での家が、キャンプ場ではなく街中まちなかにあるとは思わなかった。

 それも稲荷神社の社務所というのだから、ベタだな、と思う(遠い目)。

 こちら(日本)への転移用の部屋は、稲荷さん一家のプライベート空間にあるらしく、結局、ひいこらしながら階段を上がった。

 そこにあるピンク色のドアを稲荷さんが開けると、社務所の中の一室に繋がっていて、そこで出迎えてくれたのは、やはり稲荷さんの眷属。すぐに家の外へと案内してもらえたのだ。

 ちなみに、あちら(異世界)の家のドアからは、いくつかの場所に繋がっているらしい。青い猫のロボットのドアを真似てみました、と自慢げに言われて唖然としてしまった。

 さすが神様である。

 ちなみに、このドアを使えるのは稲荷さんと大地くんのみ。大地くんはキャンプ場の管理小屋からしか出入り出来ないらしい。真似てはみたとはいえ、誰でもが簡単に使えるというわけではないようだ。

 そこは神様としても力の違いだと、稲荷さんは自慢していた。 


「平日なんで、日曜日に比べれば空いていると思うんですけどね」

「そうだといいんですけど」


 前の免許更新の時は、仕事をしていたこともあって日曜日に行ったら、めちゃくちゃ混んでいた。今日もそれくらいの気持ちでいる。


「車社会の田舎ですからねぇ。まぁ、正月明けもあって混んでるかもしれませんね」


 苦笑いをする稲荷さん。

 後部座席には大地くんがスマホをいじりながら乗っている。


「大地くんもスマホ使うんだ」

「まぁ、付き合いもあるんで」


 やはり休み中に友達からメッセージが来ていたのか、難しい顔をしながら返事を書いているようだ。 

 私も念のため、スマホを取り出すと、前の会社の同期からメッセージが届いていたので、返事を返しているうちに、警察署についたらしい。


「大地を高校の寮まで送ってきます。またお迎えにきますので、ここで待っててください」

「わかりました……でも、稲荷さんのほうが待つことになるんじゃ」

「一応、ご連絡はしますから」


 ニコリと笑って言われれば、こちらはお世話になる側なので、素直に言うことを聞くしかない。




 免許の交付を待ちながら、私はスマホをチェックしている。

 稲荷さんが言った通り、確かに参加者は多かった。私が思ってたよりは少ないものの、それでも待合スペースはほぼ満席。立っている人もいるくらいだった。

 適性検査や写真撮影はすぐに済んだのに、更新時講習の部屋に入るのに待たされて、終わってみれば、免許交付で待っている人たちがたくさん。

 その中に私もいるわけだ。


――あ、稲荷さんからだ。


 稲荷さんから『用事を済ませてから向かいます』のメッセージに、まだ交付待ちですと返事を返す。

 稲荷さんが警察署に着くまでに、私は免許を手に入れられるのだろうか、と目の前の大勢の人々を見て思ったのであった(遠い目)。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コミカライズ 3巻 9月22日頃発売予定

『山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~ 3』

GAノベルより 6巻 10月15日頃発売予定

『山、買いました6 ~異世界暮らしも悪くない~』

山、買いました



cont_access.php?citi_cont_id=731729576&size=300
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ