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山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
楽しい冬ごもり

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第834話 食料品の買い出し

 野菜や果物などは、あちら(異世界)でも買えるので、あちら(異世界)では手に入らない、もしくは手に入りにくい物を買っておかないと、と思いながら空のカートを押していく。

 醤油や味噌は必須だ。みりんや料理酒も忘れてはいけない。

 ずらりと商品の並ぶ棚ににんまり。これと、これと、これも、と思いながらカートに入れる。


「砂糖はやっぱり、こっちのほうが安いしねぇ。あ、塩も」


 胡椒などの色々な香辛料、その他気になった調味料もカートに入れて、調味料のコーナーから出る。

 次は麺類のコーナーだ。

 そばにラーメン、パスタとカートに入れていく。新商品を見つけては入れてしまうのは、仕方がないと思う。

 最近は村でも小麦が採れるので、パン以外にもパスタ等の麺類も作られている。

 生麺も美味しいとは思うんだけれど、自分で作るとなると乾麺が無難になってしまうのだ。何にせよ、村人たちに食べてもらうほうがよいと思う。

 次は子供たちへのお土産にと、チョコレート菓子やスナック類や飴を買う。

 中でものど飴は、これからの時期、必須だ。冬場はあちら(異世界)でも風邪の時期になる。まだ体調を崩したという話は聞かないけれど、万が一も考えて、買っておくにこしたことはない。

 私にはただの飴くらいな感覚なのだけれど、あちら(異世界)に持っていくと、かなり効果が高くなるのだ。特に子供たちが、鼻をズルズルいいだした時に舐めると効果抜群だ。

 オババも作っているのだけれど、味のほうがイマイチらしく、子供たちには不評なので、買っておくに限る。

 当然、自分の分のお菓子も忘れてはいない。酒のつまみもだ。




 あちこち見て歩いて、ポンポンと商品をカートに載せていく。特に、年末年始のことを考えて、おせち料理に使いそうな物も買っておく。

 気が付けば、カートの上のカゴは山盛り状態。買いすぎたかな、と思わないでもないけれど、必要なのだから仕方がない、と言い訳しておく。

 そして、ついに到着したのは、お米のコーナー。


「お米、お米、お米~、お米を食べると~」


 小さく呟きながら、私は10キロの袋を3袋、カートの下に載せる。

 次に餅を、と思ったら、視線の端にもち米があったのに気付く。重さは1.5キロ。小さい袋だ。


「……もち米かぁ」


 もし、1.5キロのもち米を使って餅を作るなら、どれくらいの量ができるのか。調べると、二キロの餅ができると出てくる。

 もち米の袋を手に取り、悩むこと、1分。ポイっとカゴに入れてしまった。


 ――餅にしなくても、最悪、おこわとかにもできるよね。


 そして切り餅の並ぶ棚にきた私は、大きな袋入りの餅を10袋入れた。これで足りなかったら……その時は、その時だ。

 カートに餅を載せてから思い出す。

 

 ――あんこときな粉、海苔を忘れてた!


 品物がこぼれないように、重いカートを押していく。

 これでもう忘れ物はないだろう、と思い、レジへ向かう。その間、周囲の人の視線が気にはなったけれど、今だけ、今だけ、と自分にいい聞かせる。

 私の荷物の多さにギョッとしたレジのスタッフのおばさんは、すぐさまヘルプを呼んでいた。

 ヘルプに入った人にまで驚かれてしまい、私は心の中で、こんなに買ってすみません、と謝ったのは言うまでもない。

 あくまで、心の中で、である。


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