表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
冬ごもり、満喫中

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

88/981

第82話 厩舎完成

 洞窟の拡張には、結局、3日ほどかかってしまった。

 アダマンタイトが思いのほか大きくて、『穴掘り』にも時間がかかってしまったのだ。

 それでも、4匹全員が中に入るには、若干狭かった。

 なのでやっぱり、敷地内に狼小屋ならぬ、『厩舎』を建てることにした。


 『厩舎』にも、大・中・小と3タイプがあるらしい。

 その中で一番小さいサイズが、馬でいえば4頭分が入る馬房があり、一部屋がゆったりサイズのようだった。

 3日間の往復の間、よさげな木材をとってはきたものの、やはり量が足らなかった。仕方がないので、道づくりの草刈りの途中で見かけたのを『伐採』して、何とか材料が揃ったのは、年末も押し迫った頃だった。


 ……そう。クリスマスも祝わずに、私は『伐採』しまくったのだ。


 ありがたいことに、雪はちらほら舞うことはあっても、積もるまでにはいたらなかった。積もった雪の中、木材探しはしたくないもの。

 それでも、思ったよりも時間がかかってしまったのは、道沿いにいい木が少なかったせいだ。それでも、ハクとユキが頑張ったおかげで、『厩舎』を作る目途がついた。


 ででーん、という効果音があったらいいのに、と思うくらい、なかなか立派な厩舎が出来上がった。


『素晴らしい』

『あらまぁ』

『おおきいね!』

『なかはいっていい?』


 4匹がご機嫌で厩舎の前で尻尾を振っている姿は、大きくなっていても可愛いと思ってしまう。


「さぁ、入ってみて~」


 手前の馬房のドアを開けて見せると、ハクが一番乗りで入り込んだ。


『すごい! すごい! ひろいぞ!』

『これなら、ハクとユキ、一緒にいられるんじゃない?』

『え、ユキ、じぶんのばしょがほしいっ』

「はいはい、こっちも開けるよ」


 そう言って開けてあげれば、いそいそと入っていくユキ。


『五月様、ありがとうございます』

『私たちの場所までご用意いただいて……』

「気にしないで(元々の仕様だしね)」


 ビャクヤもシロタエも、嬉しそうにドアに手をかけ、自分で入っていく。器用なものだ。

 そして、そこでくるりと丸まってみせる。多少の余裕がありそうだ。


『ふふふ、時々、こちらで休んでもいいかもしれませんね』

『そうだな』


 4匹が4匹とも、喜んでもらえたようで、私もホッとした。

 今は剥き出しの土しかないけれど、できれば藁なんかあったらいいのに。せめて枯れ草でも敷き詰めてあげようか。

 

 ――ここに暖房みたいなのも、付けられないかな。


 今あるモノじゃ無理な話なんだけれど、ふと、思ってしまった。

 それこそ、屋根にソーラーパネルのせてもいいよね、と。


 結局、ハクとユキは残り、ビャクヤとシロタエは、山頂の棲み処に戻っていった。

 いつか、4匹でここに居ついてくれたらいいのにな、と、ちょっとだけ思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ