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山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
トラブル続出の晩秋
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第770話 久しぶりの買い出し(日本)

 しとしとと雨が降る中、私は軽自動車に乗って久しぶりにあちら(日本)に向かっている。

 天気がよければ、村まで行ってピエランジェロ司祭とダリルたちと買い出しの相談をしたかったけれど、この天気なので、今日はあちら(日本)に買い出しに行くことにした。


 こちら(日本)は秋晴れ。真っ青な空に、気分も上がる。

 久しぶりにホームセンターで、寺子屋用のコピー用紙や鉛筆などの事務用品を買い足す。

 子供たちはちびた状態の鉛筆でも大事に使ってくれる。だからこそ、新しい鉛筆を買ってあげたいと思う。

 本当なら、あちら(異世界)で作れる物のほうがいいんだろうけれど、やっぱり品質や性能を考えちゃうと、こちら(日本)のほうがいいのだ。

 そしてついつい見に行ってしまうのが、キャンプ用品のコーナー。

 この前の旅で使ったワンポールテント。あれがなかなかよかったらしく、ザックスたちが欲しがっていた。さすがにポイっとあげられるほどの値段ではないので、あちら(異世界)で、作ってもらうように言った。

 村でこの手のものを作るならドワーフたち。彼らに貸し出しているので、そのうち戻ってくるだろう。


 ――でも、このテントもいいな。


 新しいテントに、ついつい浮気心が出てしまうのは許してほしい。

 他にも可愛いデザインのランタンや折り畳みの椅子、ディナーテーブルなんかもある。どうしてもドワーフたちが作ってくれるものは無骨な感じになってしまって、可愛らしさを求めたら、やっぱり、こちらのセンスのほうがいい。


 ――いかん、いかん! 無駄遣いだわ!


 むしろ、あちら(異世界)で使うなら、ドワーフたちにお願いして似たようなのを作ってもらったほうがいいだろう。彼らにしても、自分たちの商品にもなるだろうし。

 私はテーブルの上に平積みされていたカタログを3冊ほど手にとって、持ち帰ることにした。

 ホームセンターでの買い出しを終えると、今度はスーパーで食料品だ。

 調味料は相変わらず、こちら(日本)の物のほうが種類もあって、味もいい。相変わらず、味噌も醤油も挑戦していない。ママ軍団が味噌と醤油に興味を持ったようで、私が調べた作り方を簡単に教えたけれど、成功したという話は聞かない。


「あとは米と小麦粉と」


 カートにどんどん積んでいく。パスタやラーメンなどの麺類も必須だ。大きな袋入りのパスタは、ダンベル並みに重いけど、あちら(異世界)で鍛えられたのか、意外にもポイポイ載せることができてしまった。

 カラカラとカートを押しながら、冷凍食品のコーナーへとやってくる。


 ――薪オーブンか、魔道具のオーブントースターしかないからなぁ。


 いまだに電子レンジの魔道具は出来ていない。あったらいいな、というだけなので、それほど急かしていないせいもある。

 でも、こうして冷凍食品を見ると欲しくなるのだから、我儘なものだ。


 プルルル


 珍しく、私のスマホの着信音が鳴った。

 滅多に鳴らないので、思わずビックリ。慌てて斜め掛けのバッグから取り出してみると、稲荷さんからメッセージが届いていた。


『お疲れ様です。お買い物の帰りに、事務所に寄ってください』


 ――え、なんで買い物きてるのわかるの!?


 一瞬、そう思ったけど、稲荷さん、神様だったわ、と思い出した。


 ――何の用だろう?


 ちょっと不安になりながらも、私は買い物を続けた。

ちなみに、イポモアは大きいのが1本生焼けになっていたので、もう少し時間をかけて焼きました。

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