表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
色々リニューアルするぞ、な夏

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

758/979

第671話 雨上がりの敷地では 

 土砂降りは二日ほどで止んだ。

 ログハウスから出て、見上げた青空は雲一つなく、気持ちいい。まだ朝のうちなので、暑くはないけれど、昼頃には蒸し暑くなることだろう。

 Tシャツにハーフパンツ姿の私は、思い切り伸びをして、目の前の惨状に現実をつきつけられることになる。


 二日間の土砂降りのせいで、石畳は泥だらけに、地面も水浸しになっているのだ。ぬかるんでいるだけなら、まだいい。しかし、目の前には、いくつもの水たまりができている。

 ずっと家の中にいたマリンとノワールは、私が止める声をあげる間もなく、その水たまりに飛び込んで、これまた見事に泥まみれになった。

 私が注意したところで、夢中になっている彼らが止まらないのは学習済みなので、自由にさせておいた。

 しかし、地面がぐっちゃぐちゃな状態は許せない。

 彼らが満足するのを待つことなく、私は周囲にいる精霊たちにお願いすることにした。


「水の精霊さん、土の精霊さん」

『はーい』

『なーにー』


 私の声かけに、一気に精霊たちが集まった。ちょっと多すぎて、腰が引けたのは、ご愛敬。


「えーと、水の精霊さんは、この敷地の地面の水分をなんとかしてほしいんだけど」

『いいよー』

「あ、あんまり、カピカピにならないようにね!」

『カピカピ?』

「そう、泥だらけになる前の水分の状態まで、戻してほしいの」

『あー、なるほどー。じゃあ、これくらいかなあ』


 そーれ、と水の精霊たちの掛け声とともに、地面から白い靄が一気に吹き上がった。


「うわぁ!?」


 見える範囲の地面はイイ感じに乾いたようだけれど、その場にいた私やマリン、ノワールは白い靄のせいでびしょ濡れ。

 

『ありゃ』

『へたっぴー』


 そう言いながら、楽しそうにキャラキャラ笑っている精霊たちと、マリンとノワールまでもが嬉しそうに走り回っている。

 私は、右手で濡れた顔を拭うと、大きなため息をつく。

 

「はぁ……それじゃあ、土の精霊さんは地面をお願い」

『うん、たいらにすればいいんだろ?』

「そうそう。ほら、ドッグランの剥き出しの地面のところ、凸凹になっているのをならしてくれたことがあったじゃない?」


 ウノハナたち三つ子が小さい頃、ドッグランの地面を荒らしたのを例えに出すと、ああ、あれか、とクスクス笑う土の精霊たち。


『じゃぁ、いっくよ~』


 地面すれすれのところを列をなして飛んで行く土の精霊たち。綺麗に土をならしてくれているようで、ホッとする。その後をマリンたちが追いかけていては、綺麗な土も台無しなんだけど。三つ子の酷さに比べれば、まだ可愛いものだ。

 畑のほうを見ると、植えてあった野菜たちは、くたりと倒れかかっている。まだ緑がかっているトマトや、小さなキュウリまで、地面についてしまっているし、桜や柿の木の小さな枝や葉も落ちている。

 うちの敷地は結界で雨の勢いが削がれるはずなのに、これは、相当、酷い雨だったようだ。

 山の斜面のほうにも目を向けると、ちょろちょろと水が流れているのが見える。せっかく乾かしてもらった地面も、これではまた湿ってしまいそうだ。排水路を用意しないとダメかもしれない。

 眉間に皺をよせながら、地面に落ちている野菜を拾っていると、トンネル側の道をバシャバシャと複数の足音が聞こえてきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ