表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
色々リニューアルするぞ、な夏

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

750/981

第663話 美幼児&美幼女

 カチャカチャと複数の食器の音が、ログハウスの中に響く。

 リビングには、離れ用にドワーフに作ってもらった四角い卓袱台。ちょっと大きいので、うちのリビングが狭く感じる。

 その卓袱台には、キッチン側を私、私の右斜め隣には三歳児のノワール、左斜め隣には5、6歳くらいの女の子……人化したマリンが座っている。

 昨夜、光に包まれた後に現われたマリンは、なぜか人化してしまっていたのだ。

 彼女もなんでこうなったのかわからず混乱しまくり。ノワール同様に戻り方がわからず、最後には泣きだす始末。

 真っすぐな黒髪が腰くらいまで伸びていて、白い肌にアイスブルーの瞳。さすがにノワールの服を着るわけにもいかないので、私の部屋着のTシャツとショートパンツを着させている。

 それにしても、美幼女っていうのは、何を着ても似合うんだな、とつくづく思う(遠い目)

 昨夜散々泣いたのに、そのあとが残っていないのは不思議だ。

 なぜ、マリンのほうが年上の容姿なのか、と思ったら、実際、マリンのほうが年上だったらしい。うちにやってきた時の姿が小さかったからか、ノワールよりも小さいのかと思っていた。聖獣というのは成長速度が違うようだ。

 同じく黒い髪だけど天然パーマで浅黒い肌のノワール(こっちも美幼児)と見比べると、姉弟に見えなくもない……か?


「おかわり!」


 ノワールが小さな手で差し出すマグカップ。


「ちょっと待って」


 マグカップを受け取ると、背後のキッチンに行ってコーンポタージュのカップスープの粉を入れてお湯を注ぐ。


「五月、私も欲しいわ」

「はいはい。ノワール、熱いから気を付けてよ」


 ノワールにマグカップを渡して、マリンのを受け取る。

 しかし、私の注意など気にせず飲むノワール。ごくごく飲んでいる様子からも、人の姿になってはいても、熱の感じ方は違うのかもしれない。

 ノワールとマリンの朝食は、スクランブルエッグとソーセージ、ロールパン(大量買いしておいたやつ)に自家製苺ジャムを塗ったもの。箸が使えないので、スプーンやフォークで食べているのだ。

 ノワールにしろ、マリンにしろ、別に食事をとらなくてもいいと言っていたが、そうは言ってもと、黒猫の姿の時のマリンにはキャットフード、ノワールの時は生肉と、私の食べる物とは違うものをあげていた。

 だからといって、今の姿で同じ物をあげるわけにはいかない。

 実際、卓袱台に並べだしたら、食べてみたかったの、とマリンは嬉しそうだったし。


「うまいな、これ」

「そうね」


 スプーンを握って、山盛りのスクランブルエッグを口に運ぶノワールと、スプーンをしゃぶっているマリン。行儀が悪いと言うべきなのかもしれないけれど、にこにこしながら食べている二人の姿が可愛いくて、ニヨニヨしてしまう。

 二人とも口の周りに、スクランブルエッグと、苺ジャムをつけまくりだけど。

 そんな中、一匹だけ、ご機嫌斜めなのはセバス。

 リビングの片隅で、あのなんともいえない目つきで、私たちの方を見つめている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ