表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
エイデン温泉(仮)三昧の夏

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

690/981

第611話 他の国の噂話と、エルフたち

 辺境伯領の領都と、王都の噂話の他にも、他の国の噂話も教えてもらった。

 獣王国では、最近、帝国からあまり柄の良くない冒険者が流れ込んできていて、なかなか物騒になってきているらしい。

 その帝国では、春先に皇帝が亡くなったとかで皇位争いが起きているとか、高位貴族の当主の多くが流行病で亡くなったとかで、帝国内が荒れているらしい。

 私自身、病気なんて、こちらに来てからかかってないし、村でも病気になったなんて話を聞かない。妊娠は病気ではないしね。だから、流行病なんてワードを聞いて、少しだけ怖くなる。

 まぁ、オババが色々薬を作っているようだし、ここ最近はレィティアさんも手伝っていた。最悪何かあっても、うちには最強のブルーベリーがある。きっと……たぶん……大丈夫だ。


「やぁ。戻ってきたのか」


 レディウムスさんから、色んな噂話を聞いている所に、ギャジー翁とヴィッツさんがやってきた。

 いつ見ても、『翁』と呼ぶには相応しくないほどの若々しさだ。

 一応、レディウムスさんのほうが100歳ほど年が上らしい。そう言われれば、若干、レディウムスさんのほうが中年っぽい感じはするけど、100歳差があるとか、見た目では全然わからない。


「ギャジー、久しぶりだな」

「何か面白そうな物は仕入れられたかい」

「お前さんが気に入りそうな物などあったかな」


 苦笑しながらレディウムスさんは私たちに小さく会釈をすると、ギャジー翁たちを連れて荷馬車のほうへと向かっていく。


「さて、ディアナ、私たちもそろそろ戻らねばなりませんね」

「あー、もう少し、ここにいたかったなぁ」


 レィティアさんがクスクスと笑い、ディアナさんは口を尖らせてぶーぶー言っている。


「いい加減戻らないと、旦那様が帰ってこなくなってしまうわ」

「えぇぇぇ」

「あなたの好きな、旦那様のお煎餅が食べられなくなるわよ?」

「……それは、ちょっと嫌かも」


 ちょっとなのかいっ! と内心ツッコむ私。そもそも、煎餅のほうが求められているって、稲荷さん、大丈夫なのだろうか。


「サツキ様、アースの言う『なつやすみ』? に、またお邪魔させていただきますわ」

「へ?」

「フフフ、今度はもう少し楽に来られるはずですし、もう少しお土産もお持ちしますわね」

「え?」

「では、失礼します」

「じゃあね!」


 楽し気に去っていく美人エルフの背中を見送りつつ、夏休みにも来るのか、と思って苦笑いが浮かぶ。

 今からエルフの村に戻っても、とんぼ返りになるんじゃなかろうか。

 ふと、楽に来る、という言葉がひっかかり、首を傾げる。

 私が思いつくのは、馬車の性能をあげることくらい。そういえば、ギャジー翁のところにも何度か行っていたようだし、魔道具として何か開発とかしたんだろうか。


 ――それこそ、キャンピングカーとか!

 

 そうだったら、私も欲しいんだけど。こちらのお金だったら、腐るほどある。何せ、グルターレ商会が来た時くらいしか使い道がないのだ。

 ギャジー翁たちはまだ会話の最中なので、声をかけるわけにもいかず、私を呼んでくれたハノエさんにお礼を言うために、彼女の家に向かうのであった。



活動報告を更新しました。

『山、買いました』2巻重版決定

https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/695723/blogkey/3251302/


 タイトルの通り、2巻重版決まりました。

 ありがとうございます<(_ _)>

 これからも頑張ります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ