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山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
山での生活、冬ごもりに備えて

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第64話 冬ごもり直前の最後の買い出し

 貯蔵庫を完成させたのは、4日ほど後のこと。

 床は土の状態だけれど、このまま土間のようにしてもいいか、と諦めた。なにせ、そろそろ、キャンプ場の休業時期が目前になっていたから。たぶん、今、コンクリートを敷いても、まだ乾くのに時間がかかりそうなのだ。

 とりあえず、DIYで棚を作るつもりではあるけれど、それよりも先に、食料を買いに行かなくてはまずい。

 とりあえず、目論見通りに木製のドアを土壁に付けられてホッとした。タブレットに手伝ってもらいつつ、下手は下手なりになんとかなった、と思う。ドアを開けると中はかなりひんやりしている。これでなんとか、冷蔵庫代わりにはなるだろうか。というか、なってほしい。



 そして今日は、冬ごもり直前の最後の買い出しに出かけることにした。

 まずはホームセンターに向かう。薪を本格的に準備しないといけないからだ。

 今までは運のいいことに、昼間は暖炉に火をいれるほどでもなかったし、買い出しに出るたびに、こまめに管理小屋で補充していたので多少のストックはある。それを節約しながら、『枝払い』で出た枝や、枯れ枝を使ったり、草刈り機で伐採した若木を、鉈で無理やり薪にしていた(途中で、すぐに薪にならないのに気付いたので、今は小屋で乾燥中)。


 木材用に『収納』している木に手を出そうとしたけれど、当然、鉈でなんか無理な話。どうしたものか、とホームセンターの駐車場についたところで、ネットで調べてみる。

 意外にも、女性でも使えそうなチェーンソーがあった。個人的なイメージで、物凄く大きくて私なんかじゃ振り回されるんじゃないかって思っていたのだが、意外に小型なのもあって、木を丸太にするために切る分には、大丈夫そうなのだ。

 店の中には思った以上に色んな種類が用意されていて、驚いたけれど、充電式で軽いのがあったので、それを選んだ。

 そして、薪割用に手斧も買った。

 動画で見た女性のソロキャンプで、意外にスッパンスッパンやってたのが印象に残っていたのもある。グリップの感じのよさげなのを見つけられたので、戻ったらさっそくやりたいと思う。


 次にスーパーで食料、というか主にお米や小麦粉を買いに行った。

 米は多めに20キロ(10キロを2袋)買ってしまった。一人で食べきれるか、とも思ったけれど、一応、休業期間が延びてもいいように、3か月くらいは考えておいたほうがいいかなと。肉や魚がなくても野菜類があるから、なんとかなるだろうし、米もあれば生き延びられるだろう。

 小麦は、いよいよ自家製のパン作りに挑戦してみてもいいかなと。天然酵母とか、自分でできるかわからないので、ドライイーストも買った。たしか、メスティンで作るパンとかってのがあったから、まずはそれから挑戦してみたい。あ、ピザとかもできるだろうか。考えだしたら、楽しくなってくる。


 ふと、今までは、生活できる環境を作ることを優先していて、あまり心に余裕がなかったことに気づく。

 せっかく自然の中にいるというのに。


「ここ最近、山での生活、全然楽しめてなかったわね」


 ある意味、家のない状態、ホームレスの人たちと変わりなかったじゃないか。


「せっかく、会社で仕事しなくていいのにね」


 冬場はきっと引きこもることになるんだろう。

 であれば、今まで興味はあっても、手を出さなかったことに挑戦してもいいかもしれない、と思った。

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