表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
新しい命にあふれる春

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

653/979

第577話 ガズゥたちと、ガンズたちの近況

 兎獣人と人族の子を結界の中に入れてしまっていいものか、と悩んでいると、ガズゥたちが山の方から戻ってきた。


「サツキ様!」


 大きくて丸々と太っている角ウサギを手に現れたガズゥたち。

 自信にあふれた笑みを浮かべながら、角ウサギを上に掲げて走ってくる。


「お帰り。あら、ずいぶん立派なのが獲れたのね」

「はいっ! 途中でガンズ兄さんたちに会って、手伝ってもらったんです」

「凄いでしょ?」

「オレも頑張った」

「すごい! すごい!」


 自慢げに胸をはるテオとマルの頭をくしゃくしゃっと撫でる。

 体調の戻ったガンズは、今はネシア(ハノエさんの妹)とネーレ(テオとマルの従兄)、そしてなんとネシアの彼氏、アレシュくんと四人でパーティを組んでいる。(ちなみにコリンナさんとは体調が戻ってすぐに結婚している)

 アレシュくんは、ネドリと同じ白狼族なのだけれど、もう少し線が細い可愛い系。コントル・ボドルが妹のネシアを任せるには頼りないと思うのもわかる。兄たちにコテンパンにされたのにもかかわらず、ネシアへの熱い想いは消えずに何度も挑戦してきたらしい。

 結果、兄たちの根負け。むしろネシアが『私が守るからいいのよっ!』とまで啖呵をきったらしい。そのシーン、私も見たかった。

 同じパーティメンバーだったコントルとボドルは、赤ん坊が生まれたのをキッカケに、冒険者の仕事での遠出をしたがらなくなって、村の仕事を手伝っている。


「五月様も来てることを伝えたら、後でもっとデカいのを持ってきてくれるって……あれ、なんか酷いニオイ」

「臭いな」

「くさーい」


 興奮していたガズゥたちだったけれど、ゲレベロウスのニオイに気付いたようで、三人とも顔がくしゃりと歪んだ。


「もしかして、そいつですか?」


 ビャクヤの足元に転がっている巨大なブラッドゲレベロウスに気付いた三人。

 すげぇ、デカいな、とか言いながら、ブラッドゲレベロウスの周りをうろついている。マークたちは若干及び腰だったのに比べて、さすが獣人ってところなんだろうか。

 ざっくりと、ゲレベロウスが暴れた話をすると、びっくりした顔になったガズゥ。


「そいつ、オババが喜ぶかもしれません」

「うん?」

「前に、名前だけ聞いたことがあります。なかなか手に入らないって」

「そうなの? ここにはいっぱいいるけど」

「うーん、なんか高級らしくて? 村に来るような行商人は取り扱ってないって」

「へぇ。なんで、そんな話題に」

「父さんが、1回だけ、肝だけ持ち帰ってきたんです。その時、あのオババが小躍りしてたのが、印象に残ってて……」


 ガズゥが記憶にあるくらいだから、せいぜい4、5年くらい前だろう。


 ――あのオババの小躍り、見てみたい。


 ちょっと想像して、クスッと笑ってしまった。


『うん? 目覚めたようですね』


 ビャクヤの声で、気を失っていた二人のほうへと目を向ける。

 ガズゥも、兎獣人と人族の子が起きだしたのに気付いた。


「その子たちは?」

「あー、ちょうど、この子たちをどうしようかなって悩んでたところだったのよ」


 二人は状況がよくわからないのか、声を出さずに互いに抱きしめ合ってキョロキョロと周囲を見回している。

 凄く不安そうな様子が、私でもわかる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ