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山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
新しい命にあふれる春

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第557話 冷蔵庫と電子レンジ

 私が最初にお願いしたのは、やっぱり冷蔵庫だ。

 大きさはいわゆる大型冷蔵庫。冷凍食品をしまっておける冷凍庫は必須だ。

 製氷は精霊たちにお願いすれば何とかなるけど、保存という意味では冷蔵庫のほうがいい。『収納』にも確かにしまっておけるが、一々タブレットを立ち上げないとダメなのよりも、冷蔵庫のドアを開けるだけのほうが体が覚えている動作だし、便利だと思う。そこは慣れの問題でもあるだろうけど。

 

 そして、できれば最終的には、村人たちが日常使えるような物になったらいいな、と思っている。当然、お値段的にも。

 なぜならば、もう少しすると、生ものもその日のうちに食べきらないと傷んでしまう時期がやってくる。村人たちは相変わらずダンジョンに潜っては、主に魔物肉のドロップ品を山ほど持ち帰ってくるからだ。

 そこは限度ってものを覚えろ、と言いたいところだけれど、脳筋な獣人には無理なようだ。

 ちなみに、村の氷室の中には大きな魔物の死体が未解体のまま大量に氷漬けになっている。いまだに私の『収納』の中のものも減っていない。

 そのうち、お祭りでもやって大量消費させないと、ずっと減らないかもしれない。

 ちなみに、エルフたちはどうしてるのかというと、やっぱり氷室を使っているらしい。ただし、うちの村ほどの規模はないそうだ。そもそも、あんなに大きな魔物を狩ってくることないのだそうだ。

 ……そりゃ、そうだ。


「どうせだったら、電子レンジも魔道具で作ったらどうですか」


 『瘴気変換器』から目を放して、言いだしたのは大地くん。

 確かに、冷凍食品をチンできるのは便利ではある。それ以外にも、茹で野菜を作ったり、パスタも作れる。時短料理には必須な道具である。

 異世界でスローライフをしていても、便利な道具はありがたいには違いない。


「管理小屋にあるのを使ってるのを見て、すごい便利だなって思ったんです」

「ほお。それはどういう物なんだい?」

「それはですね」


 落ち着いた感じだった大地くんが一変、熱く語りだして、私も思わず引いてしまう。

 ふとヴィッツさんに目を向けると、肩をすくめるだけ。その様子だと、いつものことなんだろう。

   

「あー、まずは、冷蔵庫の方をお願いしたいんですけど」

「あ、そ、そうですね」

「う、うむ。冷蔵庫だな。これもアースはわかるかね?」

「はいっ!


 また冷蔵庫の話であーだこーだと話し始める二人。似た者同士なんだろう。

 とりあえず、新たな魔道具のことについてはおいおい伝えることにして、私はエイデンとともにギャジー翁のログハウスを後にした。


「お、そろそろ桜が咲いてきてるね」

「ああ。そうだな」


 特に山裾に植えてある大きな桜の木(結界の機能はない)のほうは五分咲きくらいだろうか。新たに植えた桜にもチラホラピンク色の花が咲いている。さすが異世界クオリティ。

 もう少ししたら皆でお花見をしてもいいかもしれない。ついでにギャジー翁たちや大地くんの歓迎会にしてもいいだろう。後でネドリにでも相談しよう。

 そこで氷室の中の魔物がさばけることに期待したい。

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