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山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
新しい命にあふれる春

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第548話 今年、最初の買い出し ホームセンター編

 グルターレ商会が来た翌日、私は今年最初の買い出しに軽トラであちら側へと向かうことにした。

 ギャジー翁から聞いた大地くんの話も稲荷さんに確認したいし。

 さすがにエイデンからもらったバングルは家に置いてきた。トンネルをくぐった途端消えました、なんて、エイデンが可哀想すぎて……。


「ううん? 今年は雪解けが遅いのかな」


 トンネルを出たところは、所々に根雪になっているところがあった。こっちはまだまだ寒いってことか。あちらは比較的暖かくなってたので、今日は若干薄手のコートしか着ていないのだ。


 ――まぁ、どうせ暖房効いてるし。


 外に長居さえしなければ、なんとかなる。

 天気は少し曇り空。雨が降らなければ御の字だ。


 まず最初に寄ったのはホームセンター。大地くんが来た時に泊まれるように、離れに置いておく寝具類を買わないと。

 村のほうのお客さん用のログハウスでもいいけれど、あそこに一人で泊まるのは寂しかろう。食事の準備とか、彼はできるんだろうか?

 気が付くと寝具売り場にやってきていた私。


「うーん、これでいいか」


 いくつか見た中で、これでいいか、と思えたのが、洗える掛け布団・敷布団・枕・収納ケースの4点セット。色はグレー。シングルサイズ。

 大地くんくらいだったら寝てもはみ出はしないだろう。エイデンやネドリサイズじゃアウトだけど。

 この寝具のセットを、とりあえず3つ。先々、村の子たちが来た時にも使えるかなと。布団3つくらいじゃ、まだ余裕はあるだろうけど。

 家具の類はドワーフたちにお願いしている。急がなくていい、とは言っておいたけど、大地くんがいつ来るかによって、早めてもらわないといけないかもしれない。

 そのあとはガーデニングのコーナーへ。

 ソーラーガーデンライトを追加で購入。3ダースも買ってしまった。

 ドッグランから村までの間の雨よけの屋根の道に、ガーデンライトを挿したいと思ったのだ。(まだモリーナの魔道具は数が揃っていないし、お高め)

 次は定番の植物売り場。


「面白そうな苗とかはあるかなぁ」


 いつも果樹ばかりに目がいっていたけれど、たまには花の苗もいいかもしれない。春の花の苗がいくつもあって目移りしてしまう。


 ――青い絨毯の花って……そうだ、ネモフィラ!


 苗があったので説明を見ると……一年草と書いてある。 


「正直、あんまり手がかからないのがいいんだけど」


 響きからして、毎年種を撒くようなモノなのだろう。他の花の値札の説明を見ると、一年草、多年草、宿根草と色々あって、何がいいやら、わからない。

 とりあえず、手がかからなそうなイメージの多年草の苗を探してみるけれど、これ、というのが見つからない。


 ――あっちの花とかも調べてみるほうがいいかなぁ。


 グルターレ商会の商品の中には花などの観賞用の植物はなかったけれど、商人でもあるカスティロスさんだったら、知っているだろうか?

 まだ彼らは村に残っているはずなので、戻ったら聞いてみようと思う。


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