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山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
山での生活、冬ごもりに備えて

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第57話 冬ごもりの準備をしなくちゃいけないらしい

 お稲荷様の家族のこともかなり気になるところだけれど、それよりも『冬ごもり』のことだ。

 キャンプ場が休業になるくらいなら、まだいいのかもしれない。

 稲荷さんに急な相談とかできない、程度だろう。今まで、そこまで緊急なことも起こってないし、まぁ、なんとかなるかな、と思っていた。

 しかし、休業中のこの時期、トンネル付近は雪がひどいらしく、下手すれば春まで通行止めになるかもしれない、というのだ。

 まさか、である。この地域がそんなに豪雪地帯だとは思わなかった。


「あちら側も、そこそこ雪は降るみたいですけどね」


 いやいや、その『そこそこ』の程度が知りたいよ。

 雪山生活は勘弁してほしい。


「なので、食料とかある程度買いだめしておいた方がいいと思いますよ」


 マジか~!


 今、キャンプ地にある食料を思い返す。

 長期保存という観点でいえば、お米くらいか。一応、調味料類はキッチンカウンターの下収納で常温保存しているけど。

 冷蔵庫がないから、冷凍保存なんてできないけれど……これから寒くなるんだし、ある程度はいけるのか?

 今までパンとかは、買ってきていたのを食べてたけれど、それこそ、スローライフな生活してるなら、自分で焼くという選択肢もありか。

 特に、冬場、家の中にこもりっきりになるんだったら。それに、寒さを利用して、漬物を漬けてみるのもいいかもしれない。


「あの、休業っていつからです?」

「一応、来月からの予定ですが、雪が降りだしたら、早まるかもしれません」


 来月って、もう半月くらいしかない!?


「わ、わかりました! ちょっと、戻って考えますっ」

「ああ、はいはい。気を付けて戻ってくださいね」


 そう言いながら、今日は煎餅ではなく、真空パックされた猪肉の塊を山ほどくれた。貴重なタンパク源、ありがたく受け取った。

 いつの間にか日が短くなっていて、管理小屋を出た頃には、空に星が瞬き始めていた。


「いや、マジで、色々考えなきゃ」


 運転しながら、冷蔵庫やポータブル電源を思い返し、いや、無理だし、と頭を振る。


「……山の斜面使って横穴を掘って、貯蔵庫みたいなのって、作れないかな」


 ログハウスの背面、今はウッドフェンスで見えないけれど、あの斜面、使えないだろうか。確か、少し違うけど、トンネルでハムの熟成みたいなのをやっているのをテレビで見たことがあったし。

 それよりも、『収納』のバージョンアップを検討した方が早いのだろうか。


「あ、やだ。薪も用意しとかなきゃじゃない!?」


 嫌~! と叫びながら、暗い道をひたすら車で走る私なのであった。

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