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山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
何かと忙しい三度目の冬

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第510話 のんびりおせち作り

 雨は相変わらず降っている。

 

 ――だいぶ冷えてきたから、夜には雪になるかも。


 暖炉に火が入っているとはいえ、窓際は冷える。

 マリンは一度だけご飯を食べに降りてきたけれど、その後はずっと二階の寝室から出てこない。暖炉よりも魔道具のストーブが気に入ったようで、居ついてしまっている。気持ちはわかる。

 そういう私はキッチンでおせち作りに勤しんでいる。

 おせち、とは言うものの、そんな大層なものを作るわけではない。私にできるのは、紅白なますや筑前煮、簡単栗きんとんくらい。あとはかまぼこを切ったりするくらい。

 まずは筑前煮から作り始めるために、材料をカウンターに並べていく。

 冬ごもりする前に、ここで育てたことのない物(れんこんやゴボウ等)やコンニャクやかまぼこ等を買っておいて正解だった。

 その中には干しシイタケも入っている。

 朝から水につけて戻した干しシイタケ。ぷくぷくに見事に膨れ上がっている。


 ――シイタケって、ここでも育てられるかな。


 一応、こちらにも様々なキノコは存在している。毒々しい色合いのモノもあるし、当然、美味しいと思う物もあった。

 しかし、シイタケと似たようなキノコを分けてもらったこともあったが、やっぱりシイタケのほうが旨味が違った。慣れ親しんだ味だから、という可能性も否めないけど。

 

 ――来年はシイタケ栽培に挑戦してみるのもいいかもしれない。

 

 そんなことを考えながら、戻したシイタケと根菜類をざっくざっくと乱切りした後、次はお肉だ。ドスンとまな板にのったのは、エイデンにもらったワイルドコッコ(鶏の三倍くらい大きい)。味も大味かと思いきや、意外にも美味しくて、よく親子丼にして食べていたりする。

 ちなみに里芋の皮むきが面倒な私は、冷凍のものを使っている。 

 ざっと大きめの鍋で炒めてから、シイタケの戻し汁と調味料でくつくつと煮詰めていけば出来上がりだ。

 ログハウスの中は醤油の匂いがたちこめている。


「次は紅白なますっと」


 ログハウスの敷地の畑で育った大根と人参。あちらの通常サイズとは倍くらい大きさが違うので、一人で食べきるのはかなり大変。

 なので、今日は紅白なますを大量に作って作り置き用にもするつもり。


 トトトトトトッ


 大根と人参をひたすら千切り。大きなボウル2つに山盛りになってしまった。


「つ、疲れた」


 はー、とため息をついた後、それぞれのボウルに塩を加えてから混ぜて、しばらく放置。

 甘酢を作っている間に、野菜からは水分が出てたのでぎゅっと搾って、中くらいのサイズのジッパー付きのビニール袋に分けていく。最後に甘酢をいれて冷蔵庫にいれておけば味が染みるはずだ。

 結局出来上がったのは3袋。正月中には食べきれないのは確実だ。


「さて、次は簡単栗きんとんを作って、今日はおしまい」


 私は『収納』から、栗の甘露煮を取り出す。これは、果樹園の栗で作ったモノだ。あまり数はないので、これで使い切りになるはずだ。

 簡単栗きんとんは、材料はサツマイモと栗の甘露煮で作るので、私でも出来るのだ。

 

 ――さて、サツマイモの皮を剥くか。


 ザッとサツマイモを洗っていると、コンコンコンっとドアをノックする音がした。

 

 ――こんな天気の日に、誰?


 私は手をタオルで拭うと、ドアに向かった。 


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