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山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
何かと忙しい三度目の冬

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第505話 ガラスを受け取りに行く

 ぐったりしながら、今回も入街料銀貨3枚を払って街の中へ入る。

 街の中が浮足立っている感じなのは、一瞬年末のせいかと思ったけれど、領主代行のお嬢様が結婚するとか言ってたのを思い出した。

 前回はピエランジェロ司祭の知り合いのホンザさんの工房に来てもらった。そのためアダーモさんの工房の場所はわからなかったので、まずは場所を聞くためにホンザさんの工房まで向かった。


「こんにちは」

「あら、いらっしゃいませ」


 見覚えのある女性が店の中にいた。

 仕事のほうは落ち着いたのかと聞いてみると、なんとか間に合ったらしい。ついでに結婚式について聞いてみると、年明け早々にやるそうだ。


「だから、街がざわついてるんですね」

「ええ。お祝いにいらっしゃる貴族の方々も続々といらしているようで」

「なるほど~」


 なんでも、領主代行のお嬢様というのが、近隣の領にも名の知れた美女らしい。もう少し若ければ(お嬢様は18歳)王太子の婚約者候補にもなっただろうと言われるくらいなのだとか。


 ――うわー。下手したらキャサリンのライバルだったのか。


 そのお相手となるのは、宰相の次男だそうだ。

 キャサリンと王太子の政略結婚を知っているので、この二人もそうなのかと思いきや、学生時代からの付き合いで恋愛結婚なのだとか。

 その次男さん、すでに領主代行の手伝いをしているそうで、中々優秀らしい。

 宰相といえば、夏に来た王太子の取り巻き……というよりも、ベタベタ女の取り巻きか……だった子がいたはず。もしかして、彼も来るんだろうか。

 街に長居をすると面倒ごとに巻き込まれそうな気がするので、さっさとアダーモさんの工房の場所を聞いて、そのまま向かうことにした。


「ここですね」

「さすがメリー……こんにちは~」

「は、はい~。あ、お客様!」


 店の奥から出てきたのはアダーモさん本人。作業をしていたのか、汗ダラダラだ。


「お願いしていたガラスはどうですか」

「はい、あの、大変申し訳ありません。ご用意出来たのがこれだけでして」


 お弟子さんなのか、ガズゥくらいの少年と、ケニーくらいの青年がガラスの板を次々に運んでくる。


「おお~、これは」


 思ってた以上にいい出来にびっくり。

 ドワーフのヨハンさんも人族のガラス職人のガラスと並べられると知って、かなりいい出来になっていたけれど、アダーモさんのも負けていない。


「1、2、3……合計で16枚ですね」

「はい、本来でしたら20枚でしたのに……申し訳ございません」

 そういえば、ちょっと多めにお願いしてしまっていたんだった。


「いえいえ、別口でなんとかなりそうなので、お気になさらず」

「そうですか。よかった……」


 私は枚数分の値段に、急いでもらったので、少しだけ上乗せしてお金を支払った。アダーモさんは恐縮しきりだったけれど、なんとか受け取ってもらった。

 さすがにここでタブレットを出すのもなんなので、ガラスは私ではなくエイデンの空間収納にしまってもらった。


「はぁ……お兄さんは空間収納の使い手ですか。凄いですね!」


 アダーモさんは感心しきり。

 なんでも、空間収納はレアスキルだそうで、悪い奴らに狙われやすいのだとか。


「でも、お兄さんは強そうだから、大丈夫そうですね」

「あははは」


 ――まぁ、古龍ですからね。


 私たちはアダーモさんの工房を出ると、今度は冒険者ギルドへ向かうことにした。 


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