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山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
何かと忙しい三度目の冬

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第504話 再びケイドンの街へ

 エイデンの作った氷は少し小さくしてもらって、解体しきれなかった魔物を氷室で保管することになった(私も少しだけ預かっている)。

 解体した大量の魔物の肉は、その日の夜の焼肉祭りで消費されたものの、それでも残っている肉がかなりあった。なので、村人たちは色々と加工することにしたらしい。

 せっかくなので、その中でも燻製肉の作り方について、孤児院の子たちに作り方を教えておいて欲しいと頼んでおいた。私の手持ちのお肉もお任せできるくらいにしてほしいとお願いしたら、獣人たちが張り切ってしまった。

 ……とりあえず、ちゃんと覚えてくれることを祈る。

 ギヤンマの羽は、まだ切っている途中なのか、ドワーフのヨハンさんからの連絡はまだない。エイデンは精霊たちが手伝うと言ってたけれど、あれだけの数だ。なんとか年内には切り終えてくれるといいんだが(ちなみに今日は29日だ)。

 今日は私がケイドンに行くのを知って、エイデンが護衛も兼ねて同行してくれることになった。ついでに冒険者ギルドに行きたいらしい。そういえば、冒険者登録してたっけ、と今更ながらに思い出す。


「五月、ケイドンの街だったら、俺がコイツを抱えて飛んで行ってもいいんだぞ?」


 朝早くからケイドンの街に向かうべく、軽トラの助手席にエイデンを乗せて、ガタガタと荒れた道を走っている。

 一応、グルターレ商会の馬車だったり、ケイドンに買い出しに行く馬車が走っているので、道としては機能しているものの、舗装されてないので正直走りづらい。せめてケイドンとビヨルンテ獣王国へ繋がる大きな街道にぶつかるところまででも、整地して石で舗装とかしてしまおうか、と思ってしまう。

 ……いや、下手に道を綺麗にしたら色んな人がやってくるかもしれない。


「エイデンが古龍の姿で飛んでたら、注目浴びるでしょうが」


 とんでもなくデカい古龍のエイデン。例え近くに人影がなかったとしても、ケイドンの街の近くまでいったら、気が付かない人はいないだろう。

 そう注意すると、うーん、と腕を組んで窓の外を睨みつけている。

 ちらりと横に座るエイデンを見ると、大柄なエイデンが窮屈そうに見える。彼にしてみれば、助手席は狭いのかもしれない。

 

「狭いんだったら、荷台に「いや、大丈夫だ」……あ、そう」


 私が言い切る前に、断られてしまった。

 ちなみに、今日も荷台にはスコルとメリーが乗っている。今回は私の護衛というよりも、村の買い出しがメインらしい。


「さて、ここで一旦降りるわよ」


 ケイドンの街の壁が見えるところにある森で車を止める。

 ここから私の足だと歩いて30分くらい。近いようで、けっこう遠い。


「さて、行きますか……って、は?」


 軽トラを『収納』して気合を入れたところで、エイデンに抱えられてしまった。

 いわゆるお姫様抱っこだ。


「え、何、何!?」

「五月の歩きじゃ時間がかかる」

「いや、でも、たかが30分くらい」

「俺たちだったら10分もかからん。なぁ?」

「そうですね」


 なぜかニコニコ顔のスコルとメリー。

 いや、確かに彼らのペースだったらそうなのかもしれないが、お姫様抱っこは勘弁してほしい!


「よし、行くぞ」

「はっ!」

「い、いや、ちょっと、お、下ろしてよぉ!」


 私の言葉は完全に無視され、本当に10分もかからず、私を抱えた状態でケイドンの街の入り口に着いてしまった。

 ……恥ずかしすぎるんですけど!

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