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山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
何かと忙しい三度目の冬

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第491話 ガラスを手に入れる(1)

 モリーナの灯りの魔道具が出来上がって、大騒ぎになった後。

 まだエイデンとノワールは帰ってきていない。どんだけ狩ってくるつもりなのか、今から不安でしかない。

 その一方、ヨハンさんから板ガラスが1枚完成したので確認してほしいとの連絡がきたので、急いでヨハンさんのガラス工房に行ってみた。


「ふーむ」


 木の台の上に置かれた1枚のガラス。大きさは1m×1m。厚さは1cmよりは薄いだろうか。色は透明というよりも、青みがかっているし、正直、見慣れているガラスとは違い、若干歪みがある感じ。でも、光の当たり具合によっては、それがいい味をだしている。


「……いいですね」

「そうかい?」


 ヨハンさんが汗を拭いながら、嬉しそうに笑みを浮かべる。


「これでいいんだったら、今ある材料だったら……そうだなぁ、10枚くらいなら作れるぞ」

「ありがとうございます!」


 ちなみに『タテルクン』の『温室』に必要なガラスの枚数は50枚と書かれている。正直に言えば、全然足りない。


 ――ケイドンの街にもガラス工房はあるかなぁ。



 1回だけ魔道コンロを買いに行っただけで、まともに買い出しには行ったことがない。そもそも魔道具以外で、私が買いたいと思えるような物があるとは思えなかったのだから、仕方がない。

 ヨハンさんのガラスと同程度の物があるんだったら、買ってくるのもアリだろう。

 前回はエイデンが同行してくれていたけれど、今は魔物素材を狩りに行ってくれている。


 ――村の誰かに同行してもらうのが一番か。


 変化の魔道具のおかげで獣人たちも、たまにケイドンに買い出しに行っているらしい。よく買い出しにいくのはネドリらしいけれど、今はパパ軍団(新米パパ含む)を引きつれて、ダンジョンに潜りっぱなしらしい(遠い目)。

 どうしたものか、と思いながら村の中央の方へ行ってみると、ちょうど寺子屋の授業が終わったところのようで、ピエランジェロ司祭が子供たちを引きつれて歩いていた。


「おや、サツキ様」

「こんにちは」

「こんにちわー!」

「わー!」


 子供たちの元気な挨拶に、私もニコニコしてしまう。


「今日はどうされましたか」

「ちょっと、ヨハンさんのところに」

「ヨハンさんですか?」


 司祭の不思議そうな顔に、内緒な話でもないので、温室の話をしてしまう。 


「ほお。ガラス板ですか。でしたら、私の知り合いのガラス工房を紹介いたしましょうか?」

「えっ!?」


 なんでも、以前孤児院にいた子供が何人か弟子入りしているそうで、親方との繋がりがあるのだとか。


「せっかくですから私もご一緒しましょう。その方が話が早いでしょう」

「え、えっ!」


 なぜかトントン拍子にケイドンに行く話になっている。

 気が付けば、司祭の他に孤児院のマーク(15歳)に、スコルとメリーが一緒に行く話になってしまった。


「……馬車は勘弁してください」


 馬車には乗ったことはないものの、軽トラに馴染んでいる私には、移動時間がかかりすぎるので、前回同様、途中まで軽トラで向かうことにした。

 しかし、今から向かうとケイドンに着くころには日が落ちた上に門も閉まっている可能性があるので、翌日、朝早くに向かうことにした。


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