表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
冬ごもりに向けた晩秋の過ごし方

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

535/969

第474話 年内最後の買い出し ー生活用品ー

 軽トラの荷台には、米や小麦粉の袋の他、大きな発泡スチロールの箱がドンドンッと積まれている。ナマモノの多くはこれに詰め込んだのだ。保冷剤の代わりに、冷凍食品も爆買いしている。

 さすがに一人で運ぶのは大変そうに見えたのか、食料品売り場のお兄さんが一人、手伝ってくれた。

 薄手のダウンジャケットを着てちょうどいいくらいの寒さだったのに、額にはしっとり汗がにじむ。夏場ほど気にしなくてもいいかもしれないが、日当たりがいいところに置いてしまうと、少し心配かもしれない。

 グリーンの軽トラの荷台のシートを被せながら、手伝ってくれたお兄さんにお礼を言うと、運転席に乗り込んだ。


「さっさとホームセンターに寄って帰らなきゃ」


 洗剤やシャンプー、ボディソープ等の生活必需品となる物(特に業務用サイズ)は、ホームセンターの方がお安いのだ。

 特に洗濯用の洗剤(液体)は、私というよりも村の女性たちが欲しがっていたりする。

 グルターレ商会でも洗剤(固形)が買えるのだけれど、魔道具の洗濯機では削らないと使えないし、汚れの落ち方が違うらしい。

 気合を入れてエンジンをかけると、ホームセンターに向かうべく、駐車場を出る。



 ホームセンターに着いてみれば、ここでもクリスマスソングが鳴り響いているし、入り口のそばには大きなモミの木がクリスマスのデコレーションで飾られている。

 ちょっとは気にはなるものの、あまり時間に余裕はないので、さっさと大型のカートを選んで店の中へと入っていく。


「洗剤、洗剤っと……ああ、これこれ」


 大きな詰め替え用の袋を抱えて、カートの中へと入れていく。

  

「あとは、石鹸もか」


 この冬の手仕事の一つに考えていたのがハーブ石鹸作り。

 増殖しまくるハーブ。オババたちが薬づくりに使ったり、ママ軍団がハーブティーにしたり、サシェにしたりしているけれど、他にも使い道はないかな、と調べてみて見つけたのだ。

 材料には、無添加の石鹸とハチミツ、ドライハーブが必要とかで、あとは石鹸、となったところ……残念ながらグルターレ商会で取り扱っている石鹸は、私が期待したほど質はよくなかった(たぶん、あちらでは十分高級な部類に入る物なんだとは思う)

 そうなったら、こっちで買ってくるしかない。値段も断然安いのだ。


「あとは、あとは、ジッパー付きのビニール袋と。あ、タッパーとか瓶も買っとくか」


 生活用品売り場からDIY用の工具関連の売り場へ移動しては、何かないかな、とうろうろ。次にはガーデニングの売り場へと、カートを押していく。


「うわ、これもソーラーで電気が点くタイプ?」


 目についたのは、高さが180センチほどのヨーロッパ風の街灯っぽいガーデンライト。

 敷地や道沿いに挿しているガーデンライトは足元だけを明るくするタイプ。それでも十分といえば十分ではあるけれど。手に触れた感じもしっかりした感じ。


「……ちょっと欲しいかも」

「望月様」

「うわっ!?」


 いきなり声をかけてきたのは、ここの売り場の責任者のおじさん。

 名前は覚えていないが、顔は見覚えがある。


「こちらでしたら、今は店頭にある物だけですが」

「あ、そうなんですね」


 店頭には、今目に見えているサンプルの他、箱入りの物が5個置かれている。

 チラリと値札を見ると、税込みで1万円は超えていない。いや、でも高い気が。


「こちら、よろしければ、まとめてご購入いただければ、お値引きさせていただきますよ」


 ディスプレイのも合わせて6本。ざっくり6万円か、と思ったら、半額でいいと。

 なんでも、元々、クリスマス特価で値段を下げる予定の物だったのだそうだ。


「え、いいんですか?」

「はい。いつもお買い上げいただいてます望月様ですから」

「は、はぁ」


 ちょっとだけ申し訳ないなぁ、と思いつつ、半額だったらいいか、と財布のひもが緩んでしまう私なのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ