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山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
冬ごもりに向けた晩秋の過ごし方

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第473話 年内最後の買い出し ー食料品ー

 ショッピングモール最後は、食料品の買い出しだ。

 大きめなショッピングカートを選んで、いざ出陣。


「野菜とか果物はあるんだよねぇ……」


『ヒロゲルクン』の『畑』と精霊たちのおかげで、新鮮な野菜や果物には事欠かない。

 特に果物に関しては、ログハウスの敷地にあるリンゴもすでに色づいているし、もう少しすれば、果樹園のみかんや、立ち枯れの拠点と村の間の敷地に植えたオレンジが熟すはず。

 

「お肉も『収納』の中にいろいろあるし……結局は魚介類になるのよね」


 焼き魚だったら、前にノワールとマリンが獲ってきてくれたラサロや、ユグドラシルのそばの人工池のマイゴ(時々、ガズゥたちが捕まえてくる)あたりでも十分だったりするけれど、たまに刺身を無性に食べたくなる。

 残念ながら、あちらで生で食べる勇気はないので、ここで買い溜めしないと、となる。

 鮮魚コーナーの冷蔵ショーケースに並ぶ刺身のパックを根こそぎカートの中へと積んでいく。寿司パーティでも開けそうだけど、村人たちは食べないだろう。

 私のそばにいたおばさんにはギョッとした顔をされたけれど、華麗にスルーだ。

 

 そのままカートを押していくと、練り物関係のコーナーで足を止める。

 かまぼこ、ちくわ、つみれ、さつま揚げ。

 練り物は白身の魚を使ってるっていうのは知っているけれど、どう考えても、自作するのは、無理だな。


 ――あ、はんぺんだ。


 はんぺんは、大好きだ。

 マヨネーズをつけて生で食べてもいいし、バターソテーにしてもいい。おでんの具でも外せない。


 ――そろそろ、おでんの季節か。


 練り物単品だけではなく、おでんのセットにも目が行く。

 刺身のパック同様に、どんどんカートに載せていく。セットの中身は、はんぺん、ちくわ、つみれ、さつま揚げ、がんもどき、餅巾着などなど。


 ――そうだ。お餅も買っておかなきゃ。


 買っておかないといけない物が増えた。

 


 カートの上のカゴの空きスペースだった所は、調味料や味噌など、自力では無理そうな物でいっぱいになっている。下には、米や小麦粉の袋がある。当然、お餅も忘れていない。

 一応、村でもグルターレ商会で買い付けた小麦から、苗を育て始めたらしいので、来年の春の収穫が楽しみではある。  

 デザートの冷蔵ショーケースで足が止まる。

 ホールのケーキは並べられていないけれど、シュークリームや、ショートケーキ、ミルクレープ、モンブラン等が並んでいる。


 ――おっ、クリスマスケーキ。


 壁面にクリスマスケーキの予約を宣伝するポスターが貼られている。残念ながら私が予約したところで、受け取れはしない。

 今年も自作のケーキを作るしかないだろう。でも、去年と違うことがある。


 ――美味しい牛乳がある!


 ホイップクリームが作れなくて、豆乳クリームを使ったケーキモドキを作ったけれど、今年は作れるんじゃないか、と思い立つ。やっぱりケーキをデコレーションするなら、ホイップクリームの方がいい。

 スマホでホイップクリームの作り方を検索すると……え、生クリームって牛乳からは作れない? 

 

 ――いやいやいや、生クリームの原料は牛乳でしょ!?


 よくよく調べると、牛乳の乳脂肪分を分離させた物がクリームらしく、それは遠心分離機とかで分離しないといけないのだとか。

 さすがに、遠心分離機は買う気はない。というか、買えるのか?

 他に方法がないのかと調べてみると、 搾りたての牛乳をしばらく置くとクリーム部分と分離するという説明しているページに遭遇。これには24時間と書かれている。

 今までは、搾りたての状態ですぐに『収納』してしまったのを飲んでいたから気付かなかったけど、もしかしたら冷蔵庫に入れっぱなしにしていたら気付いてたのかもしれない。


 ――と、とにかく、戻って生クリームに挑戦かな。


 スマホを閉じて、再び冷蔵ショーケースに目を向ける。私の視線は、一つのパックに向けられる。

 

「……失敗した時用に」


 そっと、苺のショートケーキ(2個入り)のパックに手を伸ばした後、市販の生クリームのパックも買っておこう、と思った私なのであった。


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