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山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
山での生活環境を整えてみた

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第48話 『収納』のバージョンアップは凄い

「うん、少しはスッキリしたかな」


 草刈り機を止めて、周囲を見渡して、ちょっと満足。さすがにトンネルのところまでは、かなり距離があるから、キャンプ地からせいぜい100メートルくらい。道の両端がスッキリした。これなら運転中の車に触れることもない。

 草刈り機を下ろして、タブレットを開く。


「……え」


 画面を見て驚いた。

 今までは単純に『木』という表記しかなかったのが、今では。『木:27本』と本数が表記されている。目標がはっきりして、わかりやすくなった。

 それに。


「ちょ、ちょっと『薬草』って何!?」


 いつもならただの『草』しかないのに、今日は『草』の他に『薬草』という名前も表記されていた。画面の『薬草』をタップすると、いつもの『廃棄』『分解』『合成』の他に、『売却』なるメニューが追加されていた!


「え、え、売れるの!? ていうか、薬草って、何? 何の薬草!?」


 『売却』って、単純に日本円になるのかな。それとも、こっちの?

 慌てて『薬草』だけを取り出して、地面に並べてみる。さすがに草刈り機で切ってしまっただけに、根本でばっさり切ってあるものもあれば、葉の先のほうだけのものもある。

 ただ、皆、別々の種類らしく、形も様々だ。


「こういう時の『鑑定』アプリよね」


 タブレットのカメラを起動し、『鑑定』してみると。


 『ハプン草:傷薬に使われる(可)』

 『メディカ草:下痢止めに使われる(不可)』

 『モギナ草:初級ポーション(不可)』


 全然聞いたこともない名前が表示された。


「ていうか、ポーション? これって、あのポーション?」


 モギナ草と表記された草の残骸を手に、しげしげと見る。ファンタジーな世界でよく使われる『ポーション』という響きに、ワクワクしてしまった。

 実際には、この草を見ても、私にはただの雑草にしか見えない。『不可』と書かれているのは、この状態では使えない、ってことなんだろうか。

 再び、薬草類を『収納』に戻して、『売却』してみる。


『1G』


 ……何が売れたのかわからないけれど、何かが売れたらしい。単位からして、こちらのお金になるんだろう。『収納』のメニューに『1G』とのみ表記されていた。これ、ゴールドとでも読めばいいんだろうか。

 そして、その『1G』を取り出して見る。


「お、お金なのかな?」


 コロリと掌に現れたのは、銅貨なのか? 10円玉みたいな色合い。全然、ゴールドな色ではない。ちょっと分厚い。描かれているのが、どこかの王様か何かの横顔なのかもしれないが、かなり擦り減っているようで、よく顔がわからない。

 おもちゃみたい、とは言わない。たぶん、古銭に似た感じがした。

 いつか使うこともあるかもしれないが、とりあえず、再び『収納』した。

 そして、メニューを見てから、ハッとする。


「……もしかして、今までも『草』の中にこの『薬草』が含まれてた、なんてことは……ないよね?」


 もし、入ってたら……『売却』出来てたんじゃ。

 ……『収納』のバージョンアップは、奥が深いと思ったのであった。


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