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山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
初秋は美味しい物でお腹いっぱい

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第439話 獣人パワー、恐るべし

 種を集めた次の日、午前中のうちにサッと椿の種を洗い、ザルの上に広げて天日干し。

 天気が崩れないことを祈りつつ、ホームセンターに行ってきた。

 最初は、いわゆるミキサーを買うつもりだったんだけど、野菜や果物が対象になってる物が多かったし、ナッツ類もできるとは書いてあったけど、実物を見たら、すぐに壊れそうな気がして、店員さんに相談したのだ。

 現時点であるのはこれですかねぇ、と教えてくれたのが、この大型の電動ミルだった。なかなか、いいお値段だったけれど、処理できる量が多いのもそうだけど、説明書に、超硬材料も可能と書いてあったのが、一番の理由だ。


 そのまた翌日。


「五月様~!」


 朝から椿の種の殻剥きの準備をしているところに、ガズゥたちがやってきた。


「おはようございます! 油を作ると伺ったので」


 なんと、ガズゥたちだけではなく、ハノエさんたち、ママ軍団までやってきていた。目がキラキラしている。凄く期待されてる感じで、ちょっと、不安になる。


「あー、そんなに量は採れないかもしれないけど」

「かまいません!」


 ということで、みんなで作業できるようにとビニールシートを敷いて、中央にビニール袋から出した椿の種を広げる。なかなか、大量。

 車座に座り、一人一台(?)、平らな岩を置いて作業開始だ。

 石の上に置いた椿の種を、金槌で叩く。私は力がないせいか、2、3回叩かないと割れなくて、そこから指でなんとか開けて白っぽい種を取り出した。

 マジで硬い。これを続けたら、指が痛くなりそうだ。軍手でもした方がいいかな、なんて思っていたら。


 ガツンッ

 ガツンッ

 

「あら」

「やだわ」

「えっ」


 ハノエさんとテオママが、殻ごと潰していた。


「さ、五月様、あの、潰れてしまいました……」

「……ホホホ」


 ガツンガツンッ

 ガツンガツンガツンッ


「われた~!」

「ぼくも~!」


 テオとマルの自慢気な声が聞こえた。

 

「あー、えーと。うん」


 元々、粉砕するものだし、潰したところで、困りはしない。

 しかし……獣人の力、侮っていた。


「そ、そのまま、潰してもらっても構わないけど、殻は避けてくださいね」

「は、はーい」


 彼らのパワーとスピードは、とんでもなかった。

 私が1個、割ろうとしている間に、4、5個粉砕している。そう、粉砕。ちゃんと大きな殻は避けてくれている。

 結局、お昼前には全ての椿の種の殻を取り終えることが出来た。

 虫食いだったり、カビが生えてそうなのはよけたつもりだけれど、粉砕組は大丈夫だったろうか、と少しだけ不安。

 目の前に置かれた袋たちの中身は、荒めに粉砕された椿の種がほとんどで、白っぽい実の状態のままの物が1袋の半分しか入っていない。ちゃんと実の状態なのは、私がやったヤツだ。

 せっかくなので、ガズゥに潰してもらうことにする。その方が電動ミルの負荷が軽くなるんじゃないかと思って。


「これからどうするんです?」


 興味津々に聞いてくるハノエさん。


「えーと、これを電動ミルでもっと細かくします。ちょっと中でやってきますね」


 私はすでに粉砕済みの種の入った袋を1つだけ手に、ログハウスの中へ。

 電動ミルはすでにキッチンカウンターの上に設置済み。蓋を開けて、中に種を入れる。


「ぽちっとな」


 ガガガガガガーッ


 凄い音に、若干ビビったけど、それも最初だけ。しばらくすると音は落ち着いたので、中をのぞいてみると、かなり細かい状態になっていた。

 思わず私がニンマリしたのは、仕方がないと思う。


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