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山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
二度目の夏の賑わい

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第399話 ホワイトウルフと水浴び場

 高いところのブルーベリーは、無事にガズゥたちに取ってもらった。

 さすがに全部採るのは無理なので、上の方に残ったのは鳥たちの餌、下の方で残っているのはドッグラン経由でやってくる子供たち(主に牛乳を配達してくれるマカレナたち)のおやつになった。

 梅の天日干しも無事に終わり、大きめな陶器の壺に入れて貯蔵庫に保管してある。試しに1個だけ食べてみたけれど……予想よりもしょっぱかった。塩抜きした方がいいんだろうか、と悩んでいる。


 そういえば、孤児院の子たち、食事の環境がよくなったせいなのか、皆、すくすくと育っている。さすがに獣人なみとは言わないまでも、元気に走り回っている姿を見ると、村に来てよかったんだろうなぁ、と思う。

 ちなみに、すでに教会の隣に孤児たちの家は出来ていて、年長組の子たちと一緒に暮らしている。とはいえ、世話になった獣人たちにも懐いているようで、寺子屋での勉強が終わった後とかには、仕事の手伝いもしているそうだ。


 ここ数日、暑い日が続いたので、今、私はドッグランの脇の水浴び場に来ている。

 去年の秋にヘンリックさんたちドワーフたちが作ってくれた水浴び場。完成していたものの、季節外れでもあったことから水も入れずにそのままの状態だったせいで、枯れ葉などのゴミが貯まってしまっていた。

 それをこの前、孤児院の子たちが掃除をしてくれたおかげで、ゴミ一つなく綺麗になった(ついでに周辺の草刈りまでしてくれるとか、優秀過ぎる)。

 今は、ドッグラン脇に流れている水を流し込んでいるところ。水がキラキラと日差しが反射していて、夏っぽい感じ。

  

『さつき、さつき、まだダメ?』


 私の背後にはウノハナたち、三つ子が今か今かと待ち構えている。すっかり大きくなってしまった三つ子は、ハクとユキと変わらない大きさになっている(さすがにビャクヤたちほどには大きくはない)。

 

「まだよ~、ほら、他の子たちだって我慢して待ってるんだから」


 水浴び場の周囲で、大人しくしているのはウノハナたちよりも大人なホワイトウルフたちだ。ぶんぶんと大きな尻尾を振り回している姿に、思わず笑ってしまう。

 私の指先に水が届くくらいに貯まってきた。ひんやりと気持ちいい。


「よし、入っていいっ!?」


 ザッパーンッ

 バシャバシャッ


 私が言い切る前に、皆して飛び込みやがった!


「ぬわっ!」


 跳ね上がった水しぶきに、ずぶ濡れになる私。


「こらっ! 飛び込むなっ!」


 水遊びが楽しいのか、興奮しているホワイトウルフたちには私の声が届かない模様。

 水浴び場周辺をタイル張りにしておいてもらってよかった。そうじゃなきゃ、泥だらけになって、水自体も汚れたに違いない。

 それにしても、これだけ多くのホワイトウルフが水浴びする図なんて、誰が想像するだろうか。


 ――25mプールサイズにして正解だったな。


 遠い目になりながら、楽しそうなホワイトウルフを見つめる私なのであった。  


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