表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
夏の『嵐』、予防と対策

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

425/969

第384話 村の様子と、我儘姫対策

 私の不安な気持ちとは裏腹に、ここ数日、いい天気が続いている。

 今日は立ち枯れの拠点で、ドライハーブにするためにいくつかのハーブを採っていると、ハノエさんたちがやってきた。

 村の石壁の外にある畑の方は、まだ育成途中だけど、拠点の方の畑は収穫できるものがある。今まではガズゥたちがメインで収穫していたのだけれど、最近は司祭様とのお勉強タイムが多くなったので、ハノエさんたちが代わりにやってくれている。

 ハーブを採り終えた私は、収穫しているハノエさんの所へとやってきた。

 ゴロゴロと地面に転がる大きな芋。土の精霊たちの気合を感じる。


「最近、村の様子はどうです?」


 村の中のピリピリした空気は、まだ若干感じる気がする。

 ハノエさんに声をかけると、苦笑いを浮かべている。


「ネドリが仕切ってるから、私も詳しいことはわからないのよね」


 そう言いながらも、村の獣人たちが、時々、グループで魔の森の拠点の様子を見に行ってくれていることを教えてくれた。

 ウッドフェンスがあるから問題はないとは思うけど、チェックしてもらうに越したことはない。

 実際、魔の森のウッドフェンス周辺には足跡がいくつもあったそうだ。ただ、村までやってきた形跡はなかったそうで、それを聞いて、ホッとする。


 警報ライトは、時々誤報があるものの(主に鳥)、ある意味、動物除けになっているので、ちゃんと動いているといえるだろう。

 そして、モリーナさんは、ガーデンライトになかなか苦戦しているらしい。

 そりゃそうだ。素材となる物が、もともと違うのだ。でも、これを元に頑張っていることは、凄いと思う。


 一番は、我儘姫が依頼を取り下げるのが一番だと思うんだけど、と言うと。


「……無理、でしょうねぇ」


 ハノエさんが遠い目で空を見上げている。


「会ったことあるの?」

「いえいえ、王族となんて、ただの平民の私たちが会えるような相手ではないですよ」


 私も天皇陛下をテレビで見たことはあっても、直に会ったことがあるわけではないので、まぁ、そうか、と思う。


「でも、かなり、面倒な相手だっていうのはネドリからも聞いてますし、国王の溺愛もねぇ……」


 全然話が通じない相手らしく、前回は最終的には国を離れると強気のネドリに、『賢王』との噂がある獣王国の国王が頭を下げたらしい。元Sランクの冒険者のネドリだからこそ、なのだろう。

 それでも、ついつい末の姫には甘い顔になる国王だから、彼女も出戻りなんてことになっているんだろう。

 最悪、村に被害が出るようだったら、ネドリだけじゃなくて、エイデンに古龍として後ろ盾になってもらってもいいんじゃない? って、思ってしまう。

 ……かなりの大騒ぎになってしまうかもしれないけど、我儘姫に、それくらいやらないと効き目がないんじゃない?


 ちなみに今日のエイデンは、ノワールを連れて、帝国のユグドラシルの様子を見に行っている。4本のユグドラシルのうち、3本だけが根付いたらしい。


「ネドリを信じるしかありませんわ」


 にこりと笑うハノエさんの強さに、凄いなって思った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ