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山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
夏の『嵐』、予防と対策

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第383話 警報ライト

 モリーナさんに、魔道具であるのか聞くよりも先に、ホームセンターでブザー付き 警報ライトを買ってきた。

 もしなかったり、あってもモリーナさんには作れないとかだったら、と思ったのだ。

 ホームセンターには値段もピンキリで、色々あったけれど、安全には代えられないので、ちょっとお高めのヤツを買った。

 畑の広さと、万が一壊れたら、というのを考えて20個ほど買ったら、店員さんに驚かれた。

 

 右側の畑の中で、警報ライトを取り出していく。

 けっこう大きな音が鳴るというので、畑の端の方にあっても、獣人たちには聞こえるに違いない。農場などに侵入した動物などをびっくりさせて追い払うのだとか。しかも、ソーラーで充電できる上に、人感センサー付き。24時間モードと、夜間モードがあるのだそうだ。


「これ、何ですか」


 ガズゥが隣に座って、指をさす。


「これは、畑に侵入者がいたら、凄い音が鳴るの」

「へぇ」


 試しに右側の畑の隅に1本だけ設置してみた。ライトの方向は水堀の外。

 ガズゥやホワイトウルフたちが、水堀の外をウロウロしたけれど、これには反応しなかったのに、ガズゥがぴょんと水堀を飛び越えたところで、ピカ―ッと赤いライトが点くと同時に、ビービービーという凄い音が鳴った。

 最大音量にしていたせいもあって、騒々しいこと、騒々しいこと。

 おかげで音に驚いたガズゥは見事に水堀に落ちるし、村から獣人たちもやってくるしで、大騒ぎになった。

 中でも、モリーナさんが獣人たちを抑えて、先頭で猛ダッシュでやってきたのには、びっくり。


「なんですか! なんですか! これは!」


 手を震わせながら、地面に置きっぱなしにしていた他の警報ライトを指さしている。その顔は、期待に目がキラキラ光ってる。


 ……あー、いじりたいのね。


「警報ライトです。魔道具で似たようなのってありますか?」


 魔道具としては、そういうモノはないらしい。

 そのせいもあって、興味津々。すでに、彼女はソーラー充電のガーデンライトを1個、解体しているので(遠い目)、これも1個、と言いだすんだろうなぁ。

 

「サツキ様!」


 うるうるとした目で見てくるモリーナさん。


「あー、はいはい。ちなみに、前にお渡ししたガーデンライト、魔道具の方の試作って出来てます?」

「はっ、はひっ!」


 ひっくり返った返事の声に、出来てないのがわかる。


「まぁ、(ソーラーの部分は)似たような仕組みじゃないかと思うんで、そっちが出来てからにしましょうか」

「そ、そんなぁ……ぐはっ!?」


 ぐにゃぐにゃと身体を捩っていたモリーナさんの襟首を掴んだのは、アビーさんだ。


「ほらっ、仕事するよ」

「えっ、えっ、えー!」


 ジタバタしていくモリーナさんを見送り、私は警報ライトに目を向ける。


「あれだけ大きい音なら、村中が寝てても起きるわね」

「ハノエさんは、どこにいたの?」

「私は家の中で、掃除してたわ……って、ガズゥ!? びしょ濡れじゃないのっ!?」


 畑に戻ってきた、びしょ濡れになっているガズゥに、慌ててタオルを渡す。

 侵入者の真似をしてもらった結果、びしょ濡れになってしまったことを伝えたら、皆が大笑い。

 皆の笑顔を見ていて、ふと、穏やかなこの空気を邪魔しないでほしいなぁ、と思った私なのであった。


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