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山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
厳しい冬、楽しい冬

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第296話 ママ軍団とミサンガ作り

 ダンジョン祭りはしばらく続いている。

 私は当然行かないけど(そもそも、エイデンの山を越えないといけないような所なのだ。最初から無理)、村人たちは交代でダンジョンに挑戦していた。


「なかなか厳しいようですよ」


 そう話すのはハノエさん。

 場所は村長の屋敷の中の、一番広い部屋で、ママさん軍団と一緒にミサンガを作っている。ガズゥたちちびっ子や、若手の冒険者がつけているのを見て、ママ軍団も作ってみたい、と言いだしたのだ。ということで、只今、絶賛ミサンガ教室中。

 私は刺繍糸とホワイトウルフたちの毛で作った毛糸で作っているけれど(なんとか糸車で作れるようになったのだ!)、ママさん軍団は、私がまとめ買いした安い毛糸で作っている。


 ちなみに、毛糸は彼女たちが持っているクズ魔石と交換した。小さすぎて売り物にならないらしく、普通は廃棄するものなのだとか。なのに、なぜそれを捨てずに持っているのか、といえば、その多くがガズゥたちが獲ってきた獲物にあったものだから、という母心でした。

 それでもかなりの数になっていたので、困り始めていたらしい。ガンガン狩りに行ってるしねぇ(遠い目)。

 私は私で、KPに変えられるので、ありがたいくらい。

 しかし、この魔石、色んな色のものがあって、できるなら、細い穴とかを作ってビーズみたいにしたいところなんだけど。今度、ドワーフたちにこの手のお願いをしてみようか、と考えている。


「思ったよりも深いダンジョンらしいじゃない?」

「そうそう。エイデン様が潜るという時点で、簡単な訳がなかったのよね」


 みんなが苦笑いしている様子に、そうなのねぇ、と思う。

 確かに、エイデンだしね。

 今のところ、ネドリたちは5階層まで潜っているらしい。そこに現れる魔物は、あまり高ランクとは言えず、エイデンが獲ってきたような大きな塊肉になるようなのは、まだいないらしい。その上、ダンジョンの中で安全に野営できるようなスペースがないので、毎回、日帰りになっているらしい。

 現時点では、全然おいしくないダンジョンだそうだ。

 そんな中、ガズゥたち、ちびっ子はノワールを護衛に、浅い階層で頑張っている。そこではウサギやネズミの魔物が多いそうだ。


「浅いところだったら、五月様でもなんとかいけるのでは?」


 ニコニコ笑いながらテオママが言うのだけれど、ウサギだろうが、ネズミだろうが、そもそも戦うとか無理なんで。

 そんな話をしている間にも、ミサンガがどんどん量産されていく。何気にママ軍団、手先が器用。単に私が不器用なだけかもしれないけど。私が1つ作る間に、早い人だと3つ作り上げている。


「これ、たくさん作ったら売り物にならないかなぁ」


 思わずそう呟いたら、ママたちの目つきが変わった。

 どんどんカラフルなミサンガが作られていくのは、圧巻。初めてだったよね? と思わず言いたくなるくらい。そのうちデザイン性もあがってきて、私の作った物が子供の手遊びのように見えてくる始末。


「あんまり作りすぎると、毛糸がなくなっちゃうよ」

「はっ!」

「そうでした」


 あんなにあった毛糸も、すでに半分は無くなってる。出来上がったミサンガの量は、村人全員に配っても余りそうなくらいになっていた。

 とりあえず、自分の家族分は持ち帰り、残りはハノエさんのところで預かってもらうことに。行商人が来たら売ることにした。


 ……私が作った分は、売り物にはしない。当然である。

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