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山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
厳しい冬、楽しい冬

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第295話 村の防衛強化と、ダンジョンの話

 結局、冒険者たちは稲荷さんのおかげで大人しく帰ってくれたようで、助かった。


「もし、また来たら、相手に高位の神官がいるか確認してくださいね? で、その相手に、契約書類を見せれば大丈夫」


 にこやかにそう言って、あちらに帰っていった稲荷さん。

 あの契約書、日本語だけど、大丈夫なんだろうか、と不安になるも、稲荷さんだしなぁ、と思ったら、なんとかなりそうな気になった。


 そんな中、稲荷さんから、石壁のところだけではなく、水堀を渡る橋のところにも門をつけるか、畑のところを別に囲うか何かしたほうがいいのでは、とのアドバイスをもらった。

 確かに、今回はたまたま村の外で作業している者もいない時だったのもあって、冒険者たちには気付かれなかった。当然、畑作業をしていたら見つかってただろうし、悪い相手だったら人質とかにされてたかもしれない。

 今回は大人しく門の前で待っていたような人達だったので、そこまで質の悪い相手ではなかったのだろうけど、最悪なこともありえると考えてゾッとした。


 なので、取り急ぎ、石壁の出入り口を2か所追加することにした。

 表にある大きな門に比べたら、裏口みたいな感じだけど、ぐるりと回る必要がなくなった分、便利になったかもしれない。

 それと、畑の部分を囲うように背の高いガーデンフェンスを置くことにした。私が設置するガーデンフェンスだったら結界の機能付き。滅多なことでは壊れないはず……よね?

 一応、堀から村の門のところまでの間の道は、そのままだから、行商人の馬車が通ってくることは可能なはずだ。

 村人総出で木材を用意してもらったので、作業自体はその日のうちに終えることができた。これで少しは安心だろう。




 そして、こんな大事な時にエイデンはどうしてたかというと。

 なんと、冒険者が来た日の夕方に、いろんな塊肉を持ってご機嫌で帰ってきて、なんとダンジョンに潜っていたと、自慢気に宣ったのだ。


 ――ダンジョン?


 って、あのダンジョンか!?

 私の中のイメージはゲームのそれ。魔物とかもそうだけど、お宝もある、とかいうヤツ。エイデンの持ってきた肉も、すでに綺麗に解体した後の肉の塊。なんでもダンジョンの中で倒すと、魔物そのものは消えて、肉や毛皮といった物に変わるのだそうだ。


 ほえ~、である。


 そもそもダンジョン自体、多くは存在していないらしい。国に1つあればラッキー、みたいな感じ。

 有名なのは帝国にあるダンジョンだそうで、そこでよく獲れるのが金属類なのだとか。それも深い所まで行くと貴重な金属も手に入ることもあって、多くの冒険者が素材を求め挑戦するのだとか。

 エイデンの言うダンジョンが、帝国のように金属類が手に入るものなのかはわからないけれど、こうして肉等の食料が獲れるんだったら、季節に関係なく食料が得られるのだ。ありがたい話ではある。

 そのダンジョンはどこにあるのかと聞いてみたら、なんと、エイデンの山の隣の山奥にあるのを、狩りの途中でたまたま見つけたのだとか。

 エイデンの言葉に盛り上がったのは、ネドリたち獣人たち。


「そんな近いところに!?」

「全然気付きませんでしたな」

「もしかして、それは未発見のダンジョンなのでは!?」


 結局冒険者のことなどどうでもよくなって、その夜の宴では、皆でダンジョンの話で盛り上がってしまったのは言うまでもない。


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