第284話 冬ごもり前の買い出し(2)
ホームセンターの買い出しを終えると、今度はスーパーだ。
最近は肉も魚も、獣人やエイデンからのおすそ分けで、事足りている。さすがに生魚は食べる気にはならないけど。
時々、見たことのない果実や木の実、きのこなんかも頂くこともあり、ありがたく受け取っている。念のため、後で『鑑定』している。今のところ、問題のあるものはない。
ただ、私が自力で見つけられないだけである。
野菜売り場をカートを押しながら進んでいく。
野菜や果物は、旬のものが目につくが、けっこうログハウスや立ち枯れの拠点の畑で作ってるものばかりで、食指が動かない。
そんな中、高級フルーツの置かれている場所で苺を見つけてしまう。
「あ! 忘れてた!」
以前、秋に苗を植えるって調べてたのに、すっかり忘れていた。
しかし、またホームセンターに戻るのは面倒だ……種か? 種なのか?
高級な苺を買うのか? いや、ショートケーキに乗ってる苺もあるか。
……しかし結局、そのままスルー。
次に来た時に、苗を買うのを忘れないようにしようと、心にメモをする。
「お、新米出てる」
これは買いだ。10キロを2つ、カートに入れる。
「……もう10キロ買っとくか」
自分一人だったら、20キロもあれば、一冬くらいなら十分足りるはず。
しかし、ガズゥたちや獣人におにぎりを握って差し入れしてたりすると、あっという間になくなってしまうのだ。それに保存食でアルファ米も作ることもある。若者たちには用意できなかったけど、アルファ米が意外に好評だったのだ。
「あっちにも米とかあればいいんだけど」
ネドリたちも、アルファ米のせいか、米が気になる様子だった。麦はたぶん同じものだと思うので、もしかしたら米もあるんじゃないかと思う。稲荷さんにでも聞いてみたら教えてもらえそうな気がするので、帰りにでも聞いてみようかと思う。
他にパスタや、ラーメン、蕎麦などの乾麺や、鯖やマグロの缶詰、油や調味料など、長期保存できそうなものをカートに載せていく。
「そういえば、オリーブの実がそろそろ生ってるかも?」
生っていたら、自家製のオリーブオイルが作れる……かもしれない。完熟してれば、だろうけど。
自分用に1本しか植えていないけれど、村の近くに植えたら、彼らも油を自分たちで作れるようになるんじゃない?
そして、他に油にできる植物はなかったっけ、とつい連想してしまう。
……菜種油、ごま油、ひまわり油、ベニバナ油。
もう時期的に無理だけど、来年は油を作るのもありかもしれない。
自分一人で山暮らしだったら、考えもしなかっただろうな。
他にもアルコール類(自分で飲むビールと、ドワーフたちへの差し入れ用)をカートに載せると、お会計へ。支払いはカード。
ホームセンターでもなかなかの金額だったけれど、こっちもだ。まとめ買いだから仕方がない。
「さて、稲荷さんのところによって、帰るかな」
買ったものでいっぱいの荷台に目を向けて、苦笑い。
軽トラで来て正解。軽自動車じゃ載りきらなかったかもしれない。
「安全運転で戻りましょうかね」
私は気合を入れると、軽トラのエンジンをかけた。





