第228話 花を植えよう!
ホームセンターから戻った翌日、まずは花や樹木を植えることにした。
植える場所は、ハチの巣の近くが彼らにもいいだろう。
と言っても、ハチの巣のあるところまでの道はない。たまたま下草を刈っている途中で見つけただけなのだ。どうせなら、そこまでの道を作って、道沿いに花を植えていく方が綺麗じゃない?
ちなみに、ハチの巣があるのは、桜並木の道が山裾へと下る少し手前から、フタコブラクダの頭側へしばらく入ったところだ。
スーパーカブで分岐にあたる場所までやってきた。荷物は全部『収納』の中。
まずは、ハチの巣のところまで道を作る。幅は人が2人歩けるくらいだろうか。これはKPを使うのに躊躇はない。しっかり『整地』していかないと、苗を植えるためにも足場を固めていく。その上には少しピンク色の砂利を敷いていく。
最初は、店頭にあったウッドチップが気になったのだけれど、せっかく手持ちの木材があるんだから自分で作って、それを撒くのもアリかなとも思った……んだけど、乾燥しているような土地じゃないと、カビてしまうことがあるらしい。仕方ないので、今回は、砂利。ウッドチップは、余裕ができたらログハウスの周辺に撒いてもいいかもしれない。
一度草刈りが済んでいるだけに『整地』はさくさくと進む。斜面だったところが、『整地』によって土が平坦になる。ハチの巣の少し先までいって道はここまで。道幅に砂利を敷き詰めて、できあがりだ。
その道の端、下っている側に、最初はカモミールの苗を植えていく。買ってきたのは3つだけど、『ヒロゲルクン』の力で苗を植えていく。道沿いに白い小さな花が並んでいる。間隔が空いているから、ちょっと寂しいけれど、そのうち、うじゃうじゃっとなるに違いない。
突き当りに、今度はセージ。白・ピンク・紫の苗を、少し間隔を空けて植える。
「あとは、斜面側は……マロウを植えて、ハチの巣から先、分岐のところまではエキナセアっと」
セージもエキナセアも、確か風邪にいいって聞いたことがある。どう使うのがいいのかわからないけど、今度、ハーブの本も買ってきてみよう。
私が苗を植えていく先から、土の精霊たちは張り切ってハーブを育てていく。間隔を空けていたはずなのに、けっこうモリモリに育ってしまってる。でも、そのおかげなのか、すでにハチたちがブンブンと飛びまくってるから、良しとしよう。
あと残りは、ジャスミン・サルスベリ・ツバキの苗木。
こっちは、それほど急ぎではない。一応、サルスベリとツバキは挿し木用の枝は確保済み。ちゃんと黒いポットに刺してきてある。土の精霊のおかげか、艶々とした葉を茂らせている。まださすがに小さいので、もう少し大きくなってから地植えにする予定。
「ツバキとサルスベリは、山裾の方がいいかな」
サルスベリは、立ち枯れ近くの東屋の近くに植えるのはどうだろう。ツバキは東屋から山から下りてくる道の門のところまで、ぐるりと植える。まだ、そんな量はないけど。
ジャスミンは、道の門から湧き水の水門のところまで。あまり距離はないけれど、今あるガーデンフェンスから高さのある柵に付け替えれば、大きく育っても十分足りるはずだ。
色んな花のハチミツを手に入れられそうと、ワクワクしてきた私。
この後いくつもの養蜂箱を作らなきゃいけないことを思い出すのは、すぐのことである。





