表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
子供たちとの別れの夏

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

214/975

第201話 異世界の荒野で、軽トラ運転中!

 見渡す限りの荒野。少し遠くに木の影が見える。振りかえれば、うちの山はもう小さくなっていて、土煙をあげながら道なき道を走るのはうちの軽トラ。

 私は今、軽トラのハンドルを握り、この世界で初めて、人が住んでいると思われる街へと向かっている。

 新しくダウンロードした『地図アプリ』を使うために!

 本当は『収納』のバージョンアップにも心が惹かれた。だっていくらでも入って、時間も止まってるなんて、買いだめした時に便利じゃない。それに、たまにビャクヤたちが狩ってくる魔物なんかも、すぐに何もできない時とかも、保存ができるわけでしょ。

 でもね、現状でも特別不便ってわけでもない。そう、緊急性がないのよ。そりゃ、いつかは、って思いはあるけれど。

 それは『翻訳アプリ』もそう。会話はイヤーカフでなんとかなっているし、単純に山で生活するだけだったら、文字に触れる機会って、そんなにないんじゃないかなと。それに、ちょっと、ズルいかもしれないけど、エイデン頼みなところもあったりする。


「五月、これは何で動いてるのだ?」


 ということで連れてきています。ワクワクした顔で隣に座っているのはエイデン。ちゃんとシートベルトはつけている。しかし、身を乗り出して私の視界を遮るなっ!

 彼の手には、私のタブレット。しっかり『地図アプリ』たちあげてます。最寄りの街まで、あと半分くらいだろうか。

 さすがにグー〇ルマップのように詳細ではない。大きな街道と街が記されているだけ。もしかしたら、これもバージョンアップするとかあるのだろうか。


「ちょっと、落ち着いてくれる? 邪魔されると、ハンドル、ミスっちゃうからっ!」


 私の本気の怒りに、エイデンは肩をすくめて、外へと目を向ける。

 軽トラに並走するのは、ガズゥたち。そう、並走している。どんなスピードよ!

 ……いや、ホワイトウルフたちと一緒に走ってた時点で、相当な早さだと気付くべきだったのかもしれない。ちなみに、今の速度は40キロ。安全運転してます。この世界で法定速度なんてないかもだけど、こんな荒れた地面でこれ以上スピード出す勇気はない。

 ちなみに、ホワイトウルフたちも一緒に走ってる。今日はユキとスノーも一緒だ。


 ドンッ


「え、何!?」


 いきなり何かがぶつかるような音がして、慌てて見回す。


「さつきさまぁ! すごいね!」


 マルが運転席の脇の窓から顔をのぞかせてきた。


「うわっ!? やだ、マル、危ないってば!」


 私は驚いて慌ててブレーキをふんでしまった。


「うぉーっ!?」


 ヤバいッ!

 急に止まったものだから、マルの身体が前へと飛んでいく……けれど、スタッと体操選手のように着地した。その姿に、一気に脱力。大きなため息が出る。


「さつきさま、あぶないよぉ」

「それは、こっちのセリフよっ! いきなり車に乗らないっ! 運転中に驚かさないでっ!」


 運転席から身を乗り出して、マルをしかりつける。


「うんてんちゅう?」

「そう!」


 そんな私をよそに、今度はガズゥたちが軽トラの荷台に乗ってる! あ、ホワイトウルフたちまで!?

 この状態で街とかに乗り込むのって、ヤバすぎる気がしてきた私なのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ