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山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
子供たちとの別れの夏

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第198話 リュック作成とノワール

 買い出し終了後、久々にファミレスで外食をする。ついでに、ネットの情報をチェックだ。あちらでは、ネットがなくてもなんとかなるといえば、なんとかなる。しかし、燻製とかアルファ米の作り方等は、なんとなくしか覚えていないので、こういう時に情報を得ておかないと!

 食事を終えると、今度は稲荷さんの元へ。キャサリンのお迎えがあったことと、ガズゥたちも近々戻ることを伝えると、稲荷さんも少しホッとしたようだ。稲荷さんのところにもお子さんがいるので、親の身としての心配は理解できるのかもしれない(神様だけど)。


 無事にログハウスに戻ると、さっそくリュックの作成だ。

 キャサリンたちに作ってあげたのは、少し生地も柔らかかったけれど、今回のは厚めの生地のために、少し手間取ってしまった。やっぱり、ミシン、欲しいかも。彼女たちのと違うのは、表側に大きめなポケットを付けたこと。これなら、万能ナイフとか小さなタオルとかを入れておけるし、取り出しやすいだろう。

 出来上がった3つを並べると、徐々に上手くなっているのがわかる。実際、作る時間も最後のほうが早くなってたし。

 キャサリンたちのには、ホワイトウルフの毛で作ったボンボンを紐の先につけてたけれど、ガズゥたちだと思いっきり汚しそうなので、付けるのをやめた。ちょっと可愛い感じになるし、男の子はそういうのは嫌がるかな、と思って。

 その代わり、余っているフェルトを使ってお手製のお守りを作ってみた。中身は『無病息災』と書いたメモをホワイトウルフの毛を薄くしたもので包んだものだ。あくまでも気休めだけど。


「五月、夕飯にしよう~」


 リュックに満足している私のところに、ノワールの声が外から聞こえてきた。

 もう、そんな時間なのか、と慌てて窓を見ると、日差しがずいぶんと赤くなっていた。急いでいくつかの食料を『収納』して、ログハウスを出る。


「荷物は~?」

「持ってるわ」


 ドアの前で待機しているノワール。ミ〇ラみたいに可愛かった姿はどこへいった。

 今、目の前にいるのはかなり大きくなってきたノワール。私の肩くらいまで大きくなってきていて、もう私の方が抱っこなんかできない。むしろ、今では姫抱っこされる方だ。

 顔つきも……ゴ〇ラちっくに変わってきていないか!?


「んじゃ、飛ぶねぇ~」


 暢気な声でそういうと、私の返事を待たずに、私を抱きかかえて飛び立つノワール。

 た、確かにバイクで移動するよりも、便利だけどさぁ……けっこう恐いんだけど! 実は、まだ数回しか飛んでないので、慣れない。いや、慣れることがあるのか!?

 眼下には私の買った山が広がる。フタコブラクダのお尻部分しか開拓してなくて、前方の方は未開の土地だ。と言っても、ビャクヤたちホワイトウルフが生活しているようだし、ガーデンフェンスの結界のおかげで、新たな魔物は入ってこれないらしい。

 いつも皆で食事をする東屋が見えてきた。


「え、何、あれ」


 その東屋よりデカい、猪らしき生き物が、横たわっている。その上でぴょんぴょん飛んでいるのは……テオとマルか。


「また、ずいぶんとデカいのを……」


 あれ、ちゃんと解体してくれるんだよね、と、ちょっとだけ気が遠くなった私なのであった。


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