第159話 さぁ、お風呂に入ろう!(3)
結果的に、男の子組は、まぁ、見事に大騒ぎだった。主に一番下のマルが。
ひと眠りしたせいもあるかもしれないが、ボディーソープの泡に興味をもったかと思ったら口にするし、シャワーのお湯をごくごく飲むし、湯舟で泳ごうとするし! 泳ぐほど広くもないのに!
むしろ、大騒ぎしそうなイメージだったテオの方が、大人しく身体を洗わせてくれたのが意外。ガズゥは率先して自分で身体を洗ったり、風呂に恐る恐るでも自分で入ったりしたので助かった。
身体を洗って気が付いたのは、ガズゥだけが銀髪で、テオとマルはダークブラウンだったこと。ガズゥのなかなかのイケメンぶりに、まるで、昔の某アニメの妖狐をイメージしてしまった。
彼らにも、紙パンツを履かせるか迷ったが、渡す前にTシャツを着てさっさと出てってしまったので、諦めた。まだ子供だし、まぁ、いいか。
「でも、明日にでも子供服買ってきた方がいいかも」
さすがにノーパンで走り回られたら、キャサリンたちが困るだろう。色々と。
毛布はすでに女の子組に渡してしまっているので、男の子組には、バスタオルとタオルケット、それにクッション性のあるキャンプ用のシートを敷いてあげた。
ガズゥはちびっ子2人にタオルケットを譲ってあげていた。さすがお兄ちゃんといったところだろうか。
「やば、トイレのこと教えてあげてない……あの子たち、もしかしてその辺で済ましたのかしら」
公爵令嬢のキャサリンは、大丈夫だったのか。
もう寝てしまっているけれど、キャサリンには教えてあげたほうがいいかもしれない。
まだ起きているガズゥと、寝ぼけ眼のキャサリンに、小屋の裏手にあるトイレを教えてあげた。
「く、くらいですわね」
「そうか?」
おうふ。
そうか、そうだよね。夜にトイレに行きたくなった時、厳しいか。特に女の子組は。
一応、使い方を教えて、ちびっ子たちに教えるのはそれぞれに任せることにした。ガズゥだけ先に戻らせて、キャサリンはそのままトイレへ。LEDライトがあるうちに済ませてしまいたいのは、すごく理解できる。
私とキャサリンは一緒に小屋まで戻ると、キャサリンはするりとサリーの隣に潜り込んだ。
とりあえず、一時的にでも、ここで生活できる環境を整えてあげないとダメかもしれない。さすがに、ログハウスにこの人数は厳しいし、ノワールもいる。
「いや、久々に疲れたわ」
『お疲れ様です』
「おう、ビャクヤか」
ふらりと私の隣に座り込むビャクヤ。思わず、ギュッと抱きしめてしまう。
「……臭くてごめんね」
『仕方ありませんね』
フフフっと、ビャクヤに笑われた気がした。





