第130話 軽トラと古龍の大きさ
今日もホームセンターの後は食料を買うためにスーパーに直行。苺、苺、と言ってたものだから、普通に苺を買ってしまった。ついでに練乳も買ったのはご愛敬。
梅シロップのために、氷砂糖を大きめな袋で一袋。たぶん、全部は使い切れないだろうな。
ノワールのために牛乳も購入。一応、粉ミルクも飲んではくれるけど、やっぱり、あんまり好きではない模様。こればかりは仕方がない。その代わり、そろそろ固形物も食べてくれるようになって、時々ビャクヤが届けてくれる魔物の肉も食べるようになったのは助かった。
一通り、食料を詰め込んで、キャンプ場の管理小屋へと向かう。稲荷さんに古龍のことを相談するためだ。ついでに脚立の相談もしなくては。
「こんにちは~」
「こんにちは。稲荷ですよね」
「はい、いらっしゃいます?」
すっかり顔見知りになったスタッフの若者に、いつものように案内されて椅子に座る私。
「今、ちょっと出てるんですけど、もうそろそろ戻るはずです」
そう言って、冷たい麦茶を出してくれた。
ああ、そうだ。麦茶も作らなきゃ。せっかく小さいながらも冷蔵庫を買ったのだ。次に買い出しに行くときにでも、麦茶のパックを買ってこよう。
「望月様、お待たせしました」
「あ、こんにちは」
煎餅に手を伸ばそうとしたところで、稲荷さんが戻ってきた。なんでも、近所の老夫婦の家の農作業の手伝いに行ってたらしい。
「今日は何か?」
「あのですね」
私はまず脚立の話をした。私の軽自動車じゃ難しい、と言ったら、かまいませんよ、の一言で、買ってきてくれるという話になった。
「助かります」
「いえいえ……でも、そういう大物の買い物が増える可能性も考えて、軽トラ購入も検討されては?」
「あ、うん、そうなんですけど……バイク買ったばっかですし……」
「中古でよければ、また探しておきますよ?」
「あ、いえ、うーん」
正直、貯金の残高を考えると、勇気がいるというか。
その話をしたら、分割もできるようにしておく、とまで言われ、素直にお願いすることにした。
「それと、古龍のことなんですけど」
「えっ。あの方、また何かやらかしました?」
「いや、まだ、やらかしてはいないですけど」
ノワールから古龍がやってくる可能性を聞かされ、そもそも古龍の大きさって? という話になったと言うと。
「……確かに、あの方だったら、そのままの状態で来てもおかしくはないですね」
「そもそも、そのままの状態っていうのが、想像できないっていうか」
「まぁ、そうでしょうなぁ」
「あの、どれくらい、大きいんです?」
んー、と考える稲荷さんに、思わず、ゴクリと喉をならす私。
「そうですねぇ……アメリカで作られた怪獣映画、見てます?」
「……いいえ。CMなら見ましたけど」
なんか凄い都市に上陸して、ガオーッてやってたヤツだな。
「アレくらい?」
「……はい?」
「いやぁ、全体像は見たことがなくてですねぇ……何せ、暗い洞窟でしたし」
「はぁ」
「まぁ、あの頭の大きさから、アレくらいかなぁ、と」
思わず、あんぐりと口を開けてしまったよ。
それって災害級って言うのと同じじゃん。
「そんなのが、うちに?」
「一応、羽を持っていらっしゃるんで、飛んできそうですなぁ」
まいった、まいった、なんて稲荷さん、何、軽いこと言っちゃってるのっ!?





