表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
初夏は出会いの季節……らしい

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

131/969

第124話 苗の結果、ノワールとの外出

 結果として、びわとはっさく、オレンジの種から生えてきた苗には浄化の機能がついていた。アボカドの方は、普通にアボカドの苗になってる。何が違うのか。


「……一旦丸ごと食べてから、口から種を出したくらい?」


 さすがに、アボカドの種ごと丸ごと食べるのはちょっと、なので、アボカドは断念する。いや、普通に、ここの敷地で育ててみるけどね。四隅は埋まっているので、ログハウスの正面の柵の真ん中あたりに植えてみた。無事に大きくなってくれることを祈る。

 びわやはっさく、オレンジの苗は、まだ5cmくらいの高さしかないので(それだって、十分に早いんだけど)、もう少し大きくなってから植え替えようと思う。


 ……それよりも、ハーブだ。

 前回は地植えが全滅になったので、今回は素焼きの鉢に植え替えて、それを地面に埋めて見ることにしたのだ。

 ログハウス脇の畑の土を、鉢に入れて、そこに買ってきたハーブを植え替える。2株ずつ買ってきたけれど、万が一もあるので1株は黒ポットに植えたままのものを残しておく。

 でも、『整地』の確認もしたいのだ。


 ――本当に『整地』した土地であれば、植物が育つのか。


 後で浄化機能のある苗を植えるにしても、ちゃんと根付くようにしたい。

 ミント、オレガノ、タイム、レモンバーム、ローズマリーの中から、ローズマリーを選んで持っていくことにした。


『さつき~、きょうもおでかけ~?』


 普段はほとんどログハウスでお昼寝しているノワールが、今日は私の足にまとわりついている。

 まだ空を飛べないノワールは、部屋の中をトテトテと四つ足で歩いている。その姿は、なかなかかわいい。


「そう、ちょっとハーブを植えに行ってくるわ」

『……いっしょにいっちゃ、だめ~?』


 下から見上げてくるつぶらな瞳。ミ〇ラの愛嬌がにじむその姿に、簡単に陥落。


「はぁ……じゃあ、リュックに入っててくれる? さすがに両手はあけておきたいから」

『やったぁ~』


 そういって喜んだノワールは、自分用のリュックをいそいそと咥えて、靴を履いている私のところにやってきた。


「はい、じゃあ、入って」

『は~い』


 正直、すでにかなりの重さになっているノワール。しかし、世のお母さん方は、これくらいの赤ん坊を抱えて歩いてる……いや、ベビーカーがあるか。さすがに、ベビーカーはなぁ。

 体力増強だと思って、ノワールを背負って、立ち枯れの拠点へと向かう。スーパーカブで向かいたいところなのだけれど、新たに作った道は、まだ地面が柔らかい。もう少し、踏みしめるとかして固くなってからじゃないと、車輪で轍が出来てしまう。ここも、また、土を固めるのを買ってこないとダメだろうか。


「着いた~」


 汗だらだらになりながら、簡易小屋の前に立つ。

 私が歩いている間、ノワールは大人しくしていて、びっくり。初めてログハウスから出て、そのうえ敷地からも出たからか、周囲の景色に夢中だった模様。頭だけリュックから出して見ていたようだ。

 そういえば、精霊たちも静かだった。これはやっぱり、ノワールのせいなんだろうか。いつもなら近くにいるビャクヤたちの姿もない。


「これ、魔物とかは寄ってこないってことよね……でも、人とかってどうなんだ? 私は全然何ともないんだけど……」


 また稲荷さんに聞いとかないと。この調子だと、街探しにもついてきそうだしね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ