第105話 友人からの知らせ
買い出しに満足した私は、久々の外食をしに、ホームセンターの近くにある古民家風のレストランに寄っていく。
この店は前から気になっていたけれど、メニューが若干お高めだったのでスルーしていた。しかし、久々の日本だし、お金もおろしたし、ということで、奮発してみた。
時間はギリギリランチタイム。お高めでも、ディナーよりは安い……はず。
「おー、レディースセットある」
前菜に、長芋のポタージュ、地元の新鮮野菜と鹿肉のソテー、デザートには苺のムースがついている。苺かぁ……今からあっちで苺育てられないかな。
そのままレディースセットを頼んでしまう私。料理がくるまでに、と、しばらく使っていなかったスマホをチェックする。あちらでは電波が来ないし、使い道はアラームくらい。なので、久しぶりにL〇NEをチェック。
「おおお……」
予想はしてたけれど、すごい数のメッセージ。しかし、ほとんどがフォローしているメーカーとかの公式アカウント。ほぼ無意味な広告メッセージばかり。
ただし、その中で一つだけ、懐かしい名前が出てきた。退職した会社で同期だった女性だ。彼女は私より2年ほど前に会社を辞めて、別の会社に転職してしまった。それでも、半年に1回くらい、メッセージのやりとりをして、食事に行ったりしていた。
……ちなみに、元カレのことも知っている。別れた話もしていたし、愚痴大会の飲みにも付き合ってくれた。
『結婚します! できたら式にも出てほしいんだけど。招待状、送っておくね』
このメッセージが送られてきたのが、年末。もう2か月近く前。
彼女の結婚相手は、今勤めている会社の先輩だろう。いつか結婚したい、という話は聞いていたから、めでたいことだ。しかし。
「やば。もしかして、キャンプ場の方に転送されてるかも……ていうか、2か月未読だったの、怒られるかな」
慌てて、彼女に『ごめん、今、読んだ。引っ越し先が山奥で、籠ってた』とメッセージを送る。嘘はついていない。
するとすぐに既読がついて、『よかった。電話繋がらなかったから、どうしたかと思った』との返事。わざわざ電話までしてくれてたのか。
『式の方はもう席次の決定が終わっちゃったの。でも二次会に来てくれたら嬉しい』
『了解。場所と時間を教えて』
彼女とのやりとりを終えるころには、前菜が出てきた。
「やだ、美味しそう」
オレンジとにんじんのラペに、きのこのマリネだろうか。あとはズッキーニのソテーに生ハムが添えてある。こんな洒落たの、ログハウスじゃ食べられない。
「いや、作ればいいのよね……ラペだったら、私でもできるはず」
一つ一つ味わいながら、あっちに戻る前にレシピ、控えておこうと思ったのであった。





