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山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~  作者: 実川えむ
不穏な春を乗り切ろう

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第918話 久しぶりに買い出しに行こう(2)

 ガーデニング用品のコーナーの担当のおじさんが私のそばまで来て、私が手にしているガーデンライトをのぞきこむ。


「新しいガーデンライトですか?」

「はい。でも、色々あって悩ましくて」

「デザインなどはもうお決めで」

「いえ、でも、ソーラーの挿すタイプとは思ってるんですけど」

「どれくらいご入用で」

「ん~、ちょっと量が多いんで」


 できればデザインは統一したいかな、とは思っていた。

 そう伝えると、おじさんは少し考えた後、少しお待ちください、と言ってその場を離れていった。

 

 ――また、何か勧められるのかな。


 今度は何かな、と半分期待しながら待っていると、段ボールの箱を三箱、台車に載せてやってきた。

 

「こちらのタイプでしたら、在庫があるんですが」


 そう言って見せてくれたのは、先程妙に値段が安かった細い筒状の物。デザイン的には可もなく不可もなく、と思っていた物だ。

 おじさんがこそっと耳打ちする。


「実は、去年の秋に本社から研修できてた社員が、誤発注しまして」


 それがなかなか売れず、値下げをしてもいまだに倉庫にあるらしい。一応、他店にもお願いして引き取ってもらったりもしているけど、それでも、ということはかなりの数を仕入れたのだろう。

 在庫数も気になるけど、その誤発注した社員が、その後どうなったのかも気になる。


「そ、それは、ご愁傷様です」

「まったくですよ……で、いかがです? 今でしたら、こちらの値段からもう少し値引きさせていただきますよ?」


 店頭の価格は、1ダースの値段だそうで、段ボールの箱の中には10ダース入っているとのこと。それが三箱である。

 おじさんがこれぐらいで、と電卓を打って見せられた金額は、今表示されている金額の半額ほど。

 そこまで値引きするのか、と驚いたけれど、こちらとしては安いに越したことはない。


「買います」


 思わず、即決してしまった。

 大量のガーデンライトの入った段ボールは、そのままレジの方へおじさんが運んでおいてくれるというので、私は他にも買う物があるか見て歩く。

 ちなみに、エノキのようなガーデンライトも一個だけ買ってみた。ちょっと面白そうだったから。

 そのままフロアを歩いていると、自然とアウトドア用品のコーナーへ向かってしまう。


「へぇ。こんな物もあるんだ」


 アウトドアワゴンなる物に目が行く。

 折り畳みできるヤツだそうで、大量の荷物を運ぶのに便利そう。でも、私にはタブレットの『収納』があるので、私は使わない。


「あ、でも」


 頭に浮かんだのは、昔会社の近くの道で保育園の保母さんたちが子供たちを乗せていたカート。あれに乗せてお散歩していたのを思い出したのだ。

 最近村では小さい子が増えてきたのを思い出し、これ、参考になるかな? と、つい手を伸ばす。これはメッシュでできているようで、だいぶ軽い。


 ――ヘンリックさんたちなら、なんか作ってくれそうかも。


 村で使ってもらうのにいいんじゃないかと、カートに載せる。

 ちょうどキャンプ用品メーカーの最新商品のカタログを見つけたので、それも手に取りカゴの中へいれる。一度、大型のモンゴルテントを作ってもらっているので、彼らなら他にも新しい物を作るんじゃないかと、期待する私であった。

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