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ツイッタートレンド ホラー偏

『首吊り気球』

作者: 木尾方

ある貴族達の間で、おぞましい遊びが流行っていた。


「おう、おう、みにくいのぉ。自分が助かりたくて必死じゃのぉ」


その貴族の遊びは、気球に3つの縄を吊るし その縄に人の首を潜らせておく遊びだ。

気球を中心とすると、12時辺りに1人、4時辺りに1人、8時辺りに1人

それぞれ、腕はしばっておく。

気球が上昇すると、縄も引っ張られる。そのまま上昇してしまうと首吊り状態になり窒息し死んでしまう。

死にたくなければ、腕の使えない状態で、相手の上に登るしかない。そうすれば、上空に上がっても自分の縄に余裕ができるのだ。


「はは、いいぞ!いいぞ!」

そういいながら、地上で双眼鏡を覗き、命のやり取りを見ている貴族がいた。


「おい、執事セバスチャン!次の回は私も気球に乗るぞ!もっと近くで見たい!」

「いえ、公爵様だんなさま。大変危険ですので、おめになってください。」

「…執事セバスチャンお前も一緒に乗れば文句なかろう?」

「か、かしこまりました。」


気球が下りてきて、次の準備にかかっていた。


先ほどの回で、2人死んだので、生き残った1人の縄をほどこうとしていた。


「これ、そのモノは そのままでよい。次も乗せるゆえ。」


生き残った男は、命乞いを始めた。

公爵様こうしゃくさま 約束が違います。生き残ったら罪を無くして自由を与えてくれると…」

「…もう1度、生きて帰れたらな。」

「そ、そんな…だだ、空腹でパンを盗んだ だけなのに…」

「ふん、パンだろうが、宝石だろうが、盗んだ罪は一緒だ。」



「公爵様、いかがされましたか?」

操縦士の男が声をかけた。

「ん?おー、操縦士!次は、私と執事セバスチャンも乗るぞ!いいな。」

操縦士と助手は顔を合わせた。

「…公爵様。それは、構いませんが、この気球は5人までしか乗せることができません。わたくしと助手は必ず乗りますので、公爵様と執事様を お乗せになりますと、先ほど生き残った男の首吊りしか拝見できませんが…よろしいでしょうか?」

「………おう、そうじゃ!執事セバスチャン お前もゲームに参加しろ。」

「!!!! だ、公爵様だんなさま?まだ、あちらに乗せるべき奴らがいますので、どうかそちらを…」執事は深々と頭を下げて震えながら言った。

「困ったの。お前は1人では乗ってはダメだと申したじゃないか。だから、乗せてやるのじゃ。いいな!」

「こ、公爵様だんなさま私が何をしたというのですか?」

「仕方ないのう…特別に お前は手を使ってもよいぞ。ははは」


次の準備が終わり、気球が上昇し始めた。

気球が少し上がった所で、執事は走りだした。

執事は、縄に余裕がある間に2度目の男を仕留めようとした。

両手がふさがれているはずだから、勝てると思ったのだ。


気球の反対側の2度目の男は、何故か両手が自由になっていた。

「な、なんでだ?…だ、伯爵様だんなさまど、そう言う事ですか!!!」

執事は上を見上げて叫んだ。

「ん?当たり前だろう。1度ゲームに勝っているのだから、ボーナスじゃ。」

「そ、そんな…」

2度目の男が執事に襲いかかる。


2人は、殴り合い、蹴り合い、殺し合いをした。

縄がグイグイと上がっていく。

「ははは、いいぞ!もっと殴れ!もっと殴れ!」

「公爵様、余り身を乗り出しては危険です。腰に縄を結びます。」

「おう、そうじゃな。頼むぞ」

助手は公爵の腰に縄をしっかりと結んだ。


気球から垂れていた縄がとうとう、2度目の男と執事を持ち上げた。

「ぐぇぇぇぇ」

「おごごぉぉぉ」

もだえながらも、必死で相手の上に行こうともがいた。

気球が大きく揺れる。

「ほほー、すごいのぅ。地上で見るのとは全然違うの。」

「公爵様、お気に召しましたか?」

「あぁ、楽しいぞ。」

「そうですか…」

すると、操縦士と助手は、身を乗り出している公爵の足を持ち、突き落とした。


「な、なにをす…うぁぁ」

公爵は、下の2人の元へ落とされた。

操縦士が大声を出した。

「公爵様、特等席ですよ。」

はははははは!操縦士と助手は、大声で笑った。

2度目の男と、執事は、公爵にしがみつき、足蹴にし上に登った。

「お前ら、早く元に戻せ! さもないと首吊り気球の刑にするぞ! お前らもどけ!」

「どうする?兄貴?」助手の男が聞いた。

「戻すわけないだろ。」

「だよね。僕たちの両親を殺した男だもんね。」

「これ以上、気球が揺れると危険だから、縄を切ろう。」

「うん」弟は、ナイフを取り出し公爵が結ばれてる縄を切り始めた。」

「ば、バカな事は、よ、よせ!」


プツン


切れた縄と一緒に公爵を地上に落ちていく。

「うわぁぁぁぁ………」


公爵を土台にしてた2人も、足場が無くなり、もがき窒息し絶命した。


「兄貴、これからどうする?」

「そうだな。下りるわけにもいかないし、とりあえず首吊り死体を吊るしたまま隣の国に行ってから考えようか。」

「了解!」






読んで頂き誠にありがとうございます。


Twitterトレンド『首吊り気球』です。


伊藤潤二先生の作品、大好きです。


読み返ししないとw


それでは、またお会いいたしましょう。(._.)ペコッ

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