レベリオー 2編
前回の続きです。暇が無く、だいぶ空いてしまいましたが、楽しんでくれたら幸いです。
第1章 3話「2日目にして何を思う?」
「…いや〜良かった〜」
早朝起きて、まず安堵する。
「夢じゃぁ無かったようだな…サイコっ!相変わらずの、この質素な部屋だ、いいねぇ」
呑気に前回と同様この部屋をマジマジと物色していると、
???「ちょっとー!記憶喪失のカルさーん!朝ごはんよー!」
扉の向こうから、凛とした声が聞こえてくる。
「おそらく姉貴だろうな…だが前の世界じゃ朝起きる事自体苦痛だったのに今じゃ幸せを感じる…いやーもう!サイコーにハイってやつよーー!!」
テンション爆上がりでベットから飛び起き、早速リビングと向かう。
姉貴「…ウチの記憶を失くしたカルが変態だったわ…」
引いた顔でこちらを見る姉貴、名をアイアというらしい。
母「まぁまぁ、元気があって良いことだと思うわ〜♡」
でこちらの愛想の良い女性、この体の母、名をリアというらしい。
(…ここまでの美人で巨乳相手に股間が反応を示さない…中身が変わっても、家族は家族らしい)
「おはよう…はぁ」
冷静になる俺。
母リア「どうしたのぉ?浮かない顔してぇ」
(そりゃそうだろ文字が読めんのだから…あー勉強したくねぇ)
姉アイア「まずはともあれご飯にしましょ。」
姉の声に従いに席に座り献立を見る。
(コッペパンらしきパンに、ホワイトシチューらしきシチューだ)
「いただきまぁす」
手を合わせて挨拶すると、
姉アイア「え?なんて?」
不思議な様子でこちらを見る姉ら。
「あ、何でもない…」
こちらの世界には食事をする時の作法が無いらしい。
(やりずらいなぁ)
シチューを口にする。
母リア「どう?おいし?」
「うめぇ…」
(味こそ普通のホワイトシチューだが、こう質素な味こそ体に染み渡る)
(パンに関しては少し硬い以外に感想なし!)
母リア「ホント?よかった」
姉アイア「ほんと人が変わったみたいだわ」
「へ?」
姉アイア「以前のカルはご飯の感想なんてあまり言わないもの」
「へ、へぇ…」
(…自然体でいよ)
淡々と食事を続けているとある事に気づく。
(そういえば、親父なる者の存在が無い…机は4人分だが席が無い…地雷そうだから踏まないでおこう)
食事と片付けを終え、勢いよく家を飛び出す。
姉アイア「ほんと元気なったわね…アイツ」
家を飛び出しまず向かったのはアルス、前回この物語でまず有利ポジションキャラを掻っ攫ってくれて、だ〜い活躍してくれたアルスという少年の家に赴く。
(目的はこの世界の資料と情報。あの博識系キャラを上手いこと利用しなきゃな)
「よぉーー邪魔するでー」
あっけらかんとした様子で他人の部屋にノックせず入る。
アルス「わっ!?何ですか?ノックもしないで…いきなりやめてくださいよ…」
「ごめんて、そんなことより地図とかある?なるべく分かりやすいの」
アルス「はぁ…本当に変わりましたね…昨日といい今日といい…まるで人格だけが変わったみたいです」
とため息混じりながら地図を渡す。
(やべっ、迂闊過ぎたな…だがこの身体の持ち主がどんな人間かも分からないまま演技しようもない)
手渡された1m位の地図を手に取り、中身を確認する。
(う〜ん…文字は読めんがメルカトル図法だっけか?この大きさでマス目も多いし、大陸も大きい…大雑把に8、7州くらいあるか?海もあるし…地球よりデカそうだ…この世界の文明は、あっちの世界で16、17世紀くらいころだろうかな?)
地図をまじまじと見るていると、
アルス「…忘れたそうなので言いますが、この世界はそれが全てではないんです。」
「え?」
アルス「はい、学者の話では恐らく、その4倍の規模だとか」
「マジかよ…」
(やべ〜…やべ〜よ…妄想が止まらなねぇ…)
地図をニマニマと笑みを溢す所を見て、若干引き気味のアルス。
「なぁ、他に無いのか?例えばぁ〜あれだ、生物図鑑とか?」
アルス「有りますけど、大丈夫なんですか?文字読めませんよね?」
「良いんだよ、イラストとかで大体わかるだろ。」
アルス「い、いらすと?」
困った顔をして図鑑を手渡す。
「ん〜…人間にエルフ、ドワーフに獣人かな?それに二足歩行のトカゲ…リザードマンっぽい?それからetcetc…」
文字数的にも面倒だしネタバレになるのでやめてこう。だが流石は異世界、某異世界系物語に出てくるようなモンスターやらキャラクターやらが出てくることがわかる。
(この辺にして置こうか。ネタバレは冷めるしな。)
静かに図鑑を閉じる。
アルス「ん?もう終わりですか?」
「ああ、初見の方が興奮するだろ?ビンビンしたいからなぁ」
冷ややかな目でこちらを見るアルス。
「いや、そういう意味で言ったんじゃないぞ?いや多少、いや結構あるが、初見の方がワクワクするし、楽しみが増えるだろ?」
アルス「まるで冒険者みたいな事言いますね。」
(おお!やっぱりあるのか!そうだよな!ここまでのくだりで無い方がおかしいもんな!)
高揚に満ちた顔で思う。
「…だがやっぱり文字が読めないのは流石に不便だなぁ〜」
アルス「そうですね、大事ですよ」
アルス「…お教えしましょうか?」
ため息混じりでアルスは言う
「悪いな何から何まで…」
(はぁ〜めんどくせ〜勉強したくねぇ〜全くこんぐらいおまけしてくれても良いじゃ〜ん神様よ〜お)
「はぁ〜」
大きなため息を吐き決心する
第1章 4話「この素晴らしき世界」
あれから2日ばか経過して、今も尚この世界の言語に対して猛勉強中であるカルと、それを教えるアルス。そして進展があった。前回出てきたショタ共にロリキャラの名前が判明した。まず少年Aこと天真爛漫な少年、マール。少女Aこと引っ込み思案な少女、ヘウラ。そしてツンデレ気質をかましてる時代遅れな少女、ラウ
ビリッ
アルス「何も無い所に何殴ってるんですか?」
ラウラ「いや、なんかどっかで悪口言われた気がしたわ」
不機嫌なご様子で。
カル「ナレーションを殴るな」
ラウラ「訳わかんないこと言ってないで、とっとと覚えなさいよ。誰ためにこうして付き合ってるわけ?全くあのお利口なカルはどこに行ったのやら」
ハァとため息つきを吐きながらラウラは言う。
アルス「貴方が教えたいと言ったんでしょう…」
ラウラ「なっ!?それは言わない約束でしょ!?」
「だから!テンプレキャラは受けが悪いて、言うてるやろ!」
アルスの部屋でわちゃわちゃとしてる三人で、一方は
ヘウル「カルくん達どこに行っちゃたんだろう…」
心配した顔で当たりを見回すヘウル。
アール「なーんか記憶無くしたカルに文字教えてるらしいよ」
あっけらかんとしているアール。
アール「ま!俺は文字なんか読めなくても俺は体動かしてる方が良い!」
へウル「アール君は文字読まないもんね…」
呆れ困った顔でへウルは言う。
「そうさ!俺は騎士になって、王国の人たちを守るんだ!」
「だから!そういうテンプレは受けが悪いんだってー!」
遠くからアールに向け言葉を放つカル。
アール「ん?カルか?なんだってー?!」
アールが耳を覚ましている格好する横で、ヘウルは膝を抱える。
ヘウル「…ほんとに、変わっちゃったね」
アール「そうだな…だが!俺は今のカルの方が好きだぞ!前よりも元気があって良い!」
ヘウル「うん…」
ヘウル(私も…あんな風に変われたらな…)
心の奥底でヘウルは思い、複雑な顔をした。
しばらくして…。
カル「うんじゃ〜なぁ、明日も頼むよ」
アルス「ええ、また明日」
ラウラ「また明日ねっ!」
ヘウル「ま、また明日…」
アール「おう!さようならだな!」
今日のお勉強会を終え、5人は解散し各々が自宅に足を進める。
カル「ん〜〜〜ああぁ…勉強は身体が硬くなるし、疲れるから嫌だなぁ…」
身体を伸ばしながら、ため息を吐く。
「ああ…甘いもの食べたい…」
ぶつくさ言いながらも自宅に着き、扉に手を掛ける。
母リア「あら〜♡お帰り♡ごはんできてるわ〜」
姉アイア「早く席に座って?冷めるわよ」
(……)
カル「…ああ、ただいま。おっ肉か!うんまそぉ〜」
そそくさと席に着く。
「よし!いた…食おう!」
まだ慣れない様子のカル。だが、3人は、談笑しながら食事を終える。
母リア「カル〜♡お風呂入りましょ〜背中流してあげる〜♡」
ニコニコ笑いながら、詰め寄る
カル「ええ…マジかよ…」
(こんな美人と風呂入るは最高だが何故か体が拒否する反応を示す、変っても母親か…そういえば風呂入ってなかったな、あまり汗かかなかったし、気にならなかった…こちらの人間はそういう体質なのか?)
姉アイア「こらこらお母さん。記憶喪失を利用して一緒に入ろうとするんじゃないの。」
呆れた顔で姉は母の肩に手を置く。
母リア「あ〜んアイアちゃ〜ん」
悔しいそうに体をくねらせる母
(マジかよこのママ…危うく危ねぇ…官能小説になるところだった…)
「んじゃ、入ってくるよ」
かっぽ〜んと効果音
「樽風呂かぁ…」
見たとうりで樽の中に湯船がある
(ちと、狭いが渋くていいかも)
「はぁ〜…きもてぃ〜しみるわ〜」
(ここから先どうしたものかね…これからの進路…聞いた話この世界には学園というものがあるらしい。)
「良いなぁ〜学園…かわい子ちゃんとイチャつきてぇ」
(騎士という選択も悪くねぇかも。あとは王道の冒険者だなぁ〜)
「どれにしたもんかねぇ…」
そんなこんなで悩み続け、髪を洗い、体を拭き、髪を乾かし、床に就いた。
(…まぁいいか。まだまだ時間はある。じっくり考えよう。一度きりかも知れないし、それまでには死なんだろ。あ、これフラグ?)
次回に続く
どうでしたか?読んでくださった方がいるなら是非とも感想を下ださい。参考になればなぁ〜と思います。また暇があり次第、投稿しますので宜しくお願いします。