第32話 関係国会議
「皆揃ったようだな」
ガネハ帝国の皇帝が各国の映像を見回す。
「今回招集を掛けたのは他でもない、魔王勢力についてだ」
痩せた男の国王が口を開く。
「ベジタル王国が滅んだのは事実なのか。まだ信じられん。長年に渡って魔王軍の侵攻を防いできたのに」
脂ぎった国王は扇で顔を仰ぎながら、
「この間の戦いも完封だったという話だが一体どうして・・・」
そこでヒメコが口を出す。
「その戦いはこの者のおかげだからだからです」
映像が切り替わりヤオが姿を映す。
「どうも。八百屋のヤオです」
脂ぎった国王が声を荒げる。
「八百屋がこの重要な場所に何の用だ!」
ヒメコがそれを制す。
「それはイサヤ戦役の立役者がこのヤオだからです」
痩せた国王が目を細める。
「確かにその情報はこちらにも入っている。魔王軍を完封した八百屋の指導者がいると。そしてベジタル国王に逆らい姿を消した、とも」
ヒメコが胸に手を当てる。
「それがこのヤオです」
武人の雰囲気を持つ国王が威圧する。
「魔王軍に背を見せ、姿を消した八百屋が何の用だ」
ヤオは威圧に耐えながら、
「ベジタル国王は装備化野菜、つまり野菜兵器を対人間に使おうとしました。だから見切りを付けた。その結果ベジタル王国は滅んだ。それだけです」
武人の雰囲気を持つ国王はふん、と鼻を鳴らす。
ヤオは続ける。
「装備化野菜は対魔王軍の切り札になる兵器です。しかし生産に時間が掛かります。その間、魔王軍の侵攻を抑える必要があります」
痩せた国王が尋ねる。
「その兵器はどのくらいの威力があるのかね?」
ヤオはそちらを見据え、
「中級の冒険グループが苦戦する危険度のワイバーン、マンティコア、グリフォンをそれぞれ一撃で粉砕するくらいです」
会場がざわめく。予想を超えた威力だったようだ。
ガネハ皇帝が手を上げ、ざわめきを鎮める。
その後いくつかヤオに質問し、
「ハオとやら。お主の言い分は分かった。下がるがよい」
ヤオは映像から消える。
ガネハ皇帝は全員を見回し、
「では今後の魔王軍を抑える役割を話し合おう」
会議は続く。
ヤオにハイドラが近寄り声をかける。
「どうだった?ヤオ」
「何とか協力をこぎつけたよ」
ハイドラはハンカチでヤオの汗を拭きながら、
「もう戻れないわね」
「一線を越えたのは魔王軍だ」
ヤオを悲しく見つめる。
「そうね。魔王軍を甘く見てたわ」
ヤオは強い決意で告げる。
「魔王軍を倒そう。こんな悲しみはもう終わりにするんだ」
ここまで読んでいただき有り難うございます。
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