第31話 後悔
「ベジタル王国に魔王軍が急襲!王都が陥落しました!」
「なんだって!?」
ヤオが魔晶将軍の部隊を壊滅させてから約3ヶ月。早すぎる。
俺はバックから『伝達の紙』を取り出す。
そして紙面を見るが、
「何も書かれていない・・・書く時間すら無かったのか?」
「お急ぎください!ヒメコ様がお待ちです!」
「わかった。ハイドラ、ミミ、一緒に来てくれ」
「わかったわ」
「ガウ」
王城・女王の間
「来たか」
「一体どういう事なんです?ベジタル王国が陥落するなんて!」
女王はこころなしか顔色が悪い。
「先ほど『通信の宝珠』で報告があったのじゃ。ベジタル王国が陥落したと」
「相手は誰です?」
ヒメコはヤオを見据え、
「超竜将軍フレアノヴァ。魔王軍最強の将軍とその部隊じゃ」
ハイドラが声を上げる。
「ベジタル王国の住民はどうなりましたか?」
「竜どもの餌じゃ」
「そんな・・・」
ヤオは膝を落とし地面に両手をつく。
「俺が・・・俺がベジタル王国を離れたばかりに・・・俺のせいだ」
ハイドラはヤオを引き起こし、
パン!
ヤオの頬をはたく。
「ハイドラ・・・」
「しっかりしなさい!ヤオ!貴方は自分で一番正しいと思うものを選択したのでしょ?」
「でも・・・」
「一番の選択をしたって事は、その時に戻っても同じ選択をするという事なのよ?反省はいいわ。でも後悔は駄目」
「ハイドラ・・・」
ヒメコは頷き、
「それで今後の方針についてじゃが」
言いながら地図を広げ、
「ベジタル王国を盾にして勢力を伸ばしていた帝国が魔王国と隣接することになった」
「ベジタル王国を盾に?アテになるの?その国」
ハイドラが疑問を口にする。
ヒメコは別の用紙を広げる。そこには帝国の軍事力を示すグラフが描いてあった。
「ベジタル王国とは比べ物にならないくらい高い軍事力を保有しておる。すぐに魔王軍に滅ぼされるということは無いじゃろう」
「ガウガウ!(帝国には冒険者ギルドの総本部もあるのです!)」
「そうじゃ。冒険者ギルドも無視できない戦力じゃ」
「ベジタル王国支部は滅ぼされましたけどね・・・」
ヤオは俯く。
ヒメコは扇子を口元に当て、
「もうすぐ『通信の宝珠』を使って関係国会議が開かれる。その議題の中心となるのがヤオ、お主じゃ」
「何故俺が?俺には何も出来ませんよ?」
「とぼけるでない。3ヶ月前のイサヤ戦役の功労者がお主であるのはもう各国に広がっておる。少しでも戦力を集めようと各国が情報を探ったのじゃ」
「・・・」
「会議にはお主も参加してもらう。よいな?」
「わかりました」
そして舞台は関係国会議に移る。
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