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八百屋ファンタジー  作者: あらうさ(´Å`)
第三章 南大陸編
29/40

第29話 海魔

 ヤオ達は準備をして船に乗り込む。

 船は中規模の船体で結構頑丈に作られていた。小舟に乗せて「ほら戦え」という展開じゃなくてヤオ達は少しほっ、としたが安心はできない。


「海魔って奴はどんな敵なんだ?」


 俺は護衛兼見張りの男に聞く。


「この船と同じ大きさで触手をたくさん持ってる奴だ。天候を操るって話だし油断してるとすぐ海に引き込まれるぞ」

「そうか。気を付けないとな」


 ヤオは頷く。

 船はしばらくして沖に出る。天候もだんだん曇ってきて雨が降り出した。


「雨か。火薬系の野菜が使えないのは痛いな」


 ハイドラとミミはヤオの隣に立ち、


「そうね。私のブレスも薄まるし肉弾戦になるわね」

「ガウガウガー!(私の雷系の魔装具なら役に立つのです!)」


「だな。ミミを中心に戦術を立てるか」


 ざばぁっ!


 突然、無数の触手が海から現れる。


「来たか!」

「ガウー!」


 触手は次々と船に絡みつく。

 護衛兼見張りの男が、


「ほっとくと船が沈められるぞ!触手を全部切り落とすんだ!」


 他の船夫に声を掛ける。

 ヤオ達も触手に攻撃する。


「えいっ!」


 ハイドラが変化した爪で触手を切り裂き、


「やあっ!」


 ヤオがダイコンソードを振るい、


「ガウー!」


 ミミが魔装具の電撃を叩きこむ。


 初めのうちはヤオ達が押していた。

 が、時間が経つと共にだんだん押され始める。


「本体はどこだ!?」


 ヤオが護衛に聞く。


「船底にへばり付いてやがる!」

「くそ!海の中じゃ手の出しようがない!」


 触手は一本、また一本ミシミシと音を立てながら甲板を覆ってゆく。


「何か手はないか?何か・・・」


 そしてヤオは思い出す。海で出会った少女の事を。


『私はミーウ。この『海の雫』をお持ち帰りください。海で使うと私を呼べます。海で何かあった時にどうぞ』


 ヤオはバックから『海の雫』を取り出し、天に掲げる。


「来いっ!ミーウ!」


 カッ


 まばゆい光と共に海柱が立つ。そこから一人の人魚が現れた。


「お呼びですか?ヤオ様」

「来てくれたばっかりで済まないが、この海魔を何とか出来ないか?」


 ミーウはにっこり笑って、


「お安い御用です」


 強烈な潮の流れが起き、海魔が船底から引きはがされ海上に姿を現す。


 ヤオはストレージバックから光るダイコンを取り出し、叫ぶ。


「神剣、アマノムラクモダイコン!」


 ヤオは船から海魔の背に飛び乗り、ダイコンを突き刺す!


 海魔の体は大爆発を起こし、体がバラバラに千切れ、海の藻屑となった。


 ヤオは船に引き上げてもらう。

 ミミはヤオの元に駆けつけ、


「使い方、覚えていたんですか?ご主人様!」


 ヤオは頭を掻く。


「いや、何となくこうすれば、って・・・」


 護衛兼見張りの男がヤオの肩を叩く。

 

「本当に海魔を倒しやがった!大した漢だぜお前は!」


 ヤオは船夫達に胴上げされる。


 その中でハイドラがただ一人、光るダイコンを見つめるのだった。

ここまで読んでいただき有り難うございます。

評価とかしていただければやる気とか出ます。

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