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八百屋ファンタジー  作者: あらうさ(´Å`)
第三章 南大陸編
28/40

第28話 女王

「で、何も覚えてないの?」

「ああ、ミミ、ホントに俺がやったのか?」

「ガウ(はい)」


 その時、下から兵士たちが斜面を駆け上がってくる。


「一体どうしたんだ!何を騒いでいる!」

「見ろ!蛇神様が!」

「お、お前たちがやったのか!」


 兵士たちはヤオ達を取り囲む。隊長らしき人が前に出て、


「話を聞かせてもらおうか。おい!引っ立てろ!」


 たまらずヤオが制止する。


「ちょっと待ってくれ!こっちは負傷してるんだ。怪我の手当てをさせてくれ!」


 隊長はヤオ達を一瞥すると、


「わかった。少しだけ待ってやる」

「すまない」


 ヤオは野菜ポーションをハイドラの羽やミミに振りかける。


 しゅわわわ。


 みるみるうちに怪我が治っていく。

 その効果にびびった隊長が、


「すごい傷薬だな。それについても後で聞かせてもらおうか」


 ヤオ達はお縄についた。


 ヤマタイ国王都・王城


 だだっ広い広間、紅い絨毯の上にヤオ達は座らされていた。


「わらわは女王ヒメコである。そなたた達が神獣を殺めた者達か」


 よく通る声がヤオ達に響く。


「神獣?魔獣の間違いじゃないですか?いきなり襲ってきたんですよ?」

「それはそなた達が聖域を冒したからじゃろう」


 聖域だったのか。ヤオは心の中で舌打ちする。


「ヤオ、下調べもせずにあそこに行ったの?」


 ハイドラが小声で非難してくる。


「情報を売ってくれたオヤジが『火山には恐ろしい怪物がいる』くらいしか教えてくれなかったんだよ!」

「まったくアンタは。後で反省会ね」


「何をこそこそ話しておる」


 女王が声を掛けてくる。


「で、俺たちにはどんな罰が下るんですかね?」


 ヤオが聞く。


「死罪じゃ」


 ぎょっ、とするヤオ達。

 だが女王は、


「なんての。あの神獣にはこちらも手を焼いていたのじゃ。ずっと生贄を差し出せと五月蝿かったからのう」


 あの怪物そんな事言ってたのか。


「そな達には魔獣討伐をしてもらおう。それで罪は相殺じゃ」


「魔獣?」


「最近、近辺の海を荒らしておる海魔じゃ。引き受けるか?」

「やります。やらせて下さい!」


 ヤオは即答した。


「ふふ。神獣を殺したその腕前、期待しておるぞ」


 そう言うと、女王は奥へ引っ込んでいった。

 ヤオ達への裁きは終わった。


「どうすんの?安請け合いしちゃって」

「仕方ないだろ。拒否れば死罪だったんだぞ」


 釈放されたヤオ達は王都を歩いていた。


「まあ流石に大蛇以上の化け物は出てこないだろ」

「フラグを立てるのは止めて!」


「仲良いなあ。あんたたち」


 ヤオ達が逃亡しないようにつけられた見張りの男が呟く。その物腰からかなりの腕前と判断できる。


「あんたも大変だな。俺たちみたいなのを押し付けられて」

「いいや。むしろ光栄だよ。八岐大蛇ヤマタノオロチに打ち勝つ奴らに出会える機会なんてまず無いからな」

「物好きだな」


 ハイドラはそんな会話には構わずに提案する。


「まず食事を採りましょ。そしてぐっすり休んで準備して海魔討伐」

「だな」


 次の目的は海魔討伐。ヤオは心を引き締めるのだった。

ここまで読んでいただき有り難うございます。

評価とかしていただければやる気とか出ます。

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