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八百屋ファンタジー  作者: あらうさ(´Å`)
第三章 南大陸編
26/40

第26話 ミミの一日

〇ミミ視点〇


 ヤマタイ国に着いてからある程度経ったある日。


 ミミは今日も畑仕事を手伝っていた。

 それなりの広さの畑の雑草を一生懸命抜き取っている。


 雑草さんは次から次へと生えてくるのです。


 先日雨が降って次に晴れたものだから雑草がにょっきにょっきと伸びている。

 ミミはそれを無心で抜き取る。


「おーい。ミミ、休憩だ」


 休憩時間が来たようだ。

 ヤオが冷たい果汁ジュースをストレージバックから取り出す。このバックは時間停止機能も付いてるから、冷えたものをそのまま保冷することも出来るのだ。とても便利。文明の利器なのです。


 果汁を一気に飲み干す。酸味がきいてとても美味しい。


「だいぶ畑も綺麗になったな」

「ガウー(もう少しで全部終わるのです)」


 ヤオはミミを見て、


「今日は市も休みだし、午後は戦闘訓練でもするか」

「ガウ!」


 午後


 ヤオとミミが手合わせする。


 ヤオは木剣を持ってミミと相対する。ダイコンソードは切れ味が良すぎて訓練には不向きなのだ。


 ヤオが木剣を振り下ろす。

 ミミがそれを受け流しハイキックを繰り出す。

 ヤオは屈んで足払いを掛ける。

 ミミはそれをバク転で回避する。

 ヤオは突きを繰り出す。

 ミミは白羽取りで木剣を掴み、足払いを掛ける。

 ヤオが見事にすっころんだ。


「ミミは強いな」


 ヤオは笑いながら起き上がる。


「ガウガウ(ご主人様も上達してるのです)」


 ヤオは八百屋だ。戦闘訓練など必要ない。

 それでも以前聞いたのだ。昔は冒険者にもなってみたかったのだ、と。


 それが装備化転生のおかげでヤオにも冒険者としての芽が出てきた。

 ミミは出来るだけヤオの要望に応えられるよう戦闘訓練をしている。


 しばらく組み手をして、


「よし、今日はここまでにしとくか」

「ガウ」


 ヤオは手を差し出し、


「汗を拭いたら商店街行こうぜ」


 ミミを誘う。


「ガウ!(うん!)」


 商店街


 賑やかな屋台や露天商をいろいろ見て回る。


「何か食いたいものかないか?」

「ガウ(串肉をお願いするのです)」

「わかった」


 ご主人様はよく気が利くのです。たまにとても鈍いけど。


「ミミ、お前も女の子なんだから装飾品とかに興味はないか?」

「ガウガウガウ(興味ないのです。それよりも雷系の魔装具が欲しいのです)」


「魔装具かー。ここには多分無いな。今度王都に行ったときに探してみよう」

「ガウ(お願いするのです)」


 一通り店を見て回った後、帰り道。


「ミミ」

「ガウ?」


「ありがとな」

「??」


「お前やハイドラがいるからこんな遠くまで来ても変わらずにいられる。本当に感謝してるよ」

「ガ、ガウ」


 いきなりの発言にドキドキするのです。


「これからも宜しくな」

「ガウ!(こちらこそなのです!)」

ここまで読んでいただき有り難うございます。

評価とかしていただければやる気とか出ます。

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