第24話 久しぶりの畑作業
「嫁の為ならえーんやこら」
俺は久しぶりの畑作業に精を出していた。
休耕地を耕し雑草を抜き取り畝を作る。かなりの重労働だ。
装備化転生以外、小作人に任せていた昔がなつかしい。
「でもこうやって自分でやると充実感が半端ないな」
「そうなのね。ところで嫁って誰の事?」
「ガウー?ガウー!(ミミの事?ミミの事なのですね!)」
「あらヤオはロリコンね」
「なんでだよ!ただの歌だよ!」
ヤオは鍬を降ろす。
「ハイドラも少しは手伝えよ」
「あら?女の子に肉体労働を手伝わせるつもり?」
「お前の仕事だった野菜運搬はストレージバックで代替が効くからな。働かざるものは飯食うべからずだぞ」
「うっ、わかったわ。でも手にまめが出来たらヤオを呪うからね」
「ガウ!(ミミは雑草を抜くのです!)」
そんなこんなで順調に畑を耕した頃には日も傾き、
「よし、とりあえず畑一つぶん確保出来たな」
「体力有り余ってたから疲れてないけど結構手間ね」
「ガウ(赤い土もあるのです)」
畑に赤い土を撒き野菜クズを植え水を撒く。
「あとは二週間待つだけだな」
俺は体に付いた埃を払い、
「帰って風呂に入ったら晩飯でも食うか」
「ガウ!(やったー!)」
「肉じゃが!ヤオ!肉じゃが作って!一緒に本を見せてもらった時から気になってたの!」
◇
夕方、俺は調理を始める。
(1)肉は一口大に切る。じゃがいもは一口大の乱切りにし、水にさらす。にんじんは乱切り、玉ねぎはくし形切りにする。
(2)鍋にサラダ油を熱し、強火で肉を炒める。肉の色が変わったら、じゃがいも、にんじん、玉ねぎを加え、油が回るまで弱火で炒める。
(3)水、糸こんにゃくを加え、強火で煮立ってきたらアクをすくう。
(4)中火にして砂糖、酒を加えて3分ほど煮た後、淡口しょうゆを加え、落としぶたをして中火で10~15分煮る。最後に器に盛る。
「出来た!」
「美味しそう!」
「ガウー!」
俺はご飯と肉じゃがを器に盛ってハイドラとミミに渡す。
「いただきまーす」
「ガウー」
ハイドラは目をカッ、と開く。
「美味しい!」
「ガウ!」
「汁が肉とジャガイモに染み込んで・・・これはたまんないわ!」
「ガウガウー!(ご飯との相性が最高です!)」
「ご飯に汁をかけても美味いな!」
三人は満足いくまで肉じゃがを食べた。
◇
夜、俺は縁側で体を休めていた。
足音が近づいてくる。
「ここに居たのね、ヤオ」
「ハイドラか。お前も座れよ」
ハイドラはヤオの隣に腰を下ろす。
「異世界料理、破壊力は凄いわね」
「俺もここまでとは思わなかった」
俺は笑い、
「レシピ付けて実演販売すればかなり売れそうな予感がするな」
「きっと売れるわ」
微笑みながらハイドラはヤオを見て、
「ヤオはレストランを経営するつもりは無いの?」
「経営だけならいいが調理はな。プロには負けるよ」
「そうかしら?結構いい勝負できると思うけど」
俺は星空を見上げ、
「いいんだ。少しでも多くの人に幸せな時間を提供できればそれで。ベジタル王国では最後に失敗したけどな」
「それはヤオのせいじゃないわ」
ヤオは首を振り、
「装備化転生は世界を劇的に変える。そのリスクはしっかり把握してないといけないんだ」
「ヤオ・・・」
俺は強い眼差しで、
「今度は上手くやってみせる。見ていてくれ、ハイドラ」
「わかったわ。応援してる」
そして夜が更ける。
ここまで読んでいただき有り難うございます。
評価とかしていただければやる気とか出ます。




