表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
八百屋ファンタジー  作者: あらうさ(´Å`)
第一章 ベジタル王国編
2/40

第2話 異世界の野菜たち

 俺は辞典を見ながら植物の芽を調べてみる。


「トマト、ハクサイ、ダイコン、ニンジン、タマネギ、ジャガイモ・・・」


 全部見知らぬ植物の芽だ。


「異国の植物?・・・いや、転生ってもしかして異世界の野菜なのか?」


 そんな馬鹿な・・・

 ヤオは妄想を振り払う。


「しかし普通、野菜は種を植えてから芽を出すまで一週間から二週間はかかる。一晩で芽を出すってのは・・・」


 しかも植えたのは野菜クズだ。そんなの有りなのか?


「これはとんでもない事なのかも!」


 俺はしがない八百屋だ。こんな事が起こるなんて・・・いや、この出来事はむしろ八百屋だからこそ起きたの、か?


「とりあえず辞典を見ながら育ててみよう。ちゃんと育つか確かめてみないと」


 ヤオは野菜の芽を畝に移し水をかける。

 そして自分の畑の野菜を収穫し、市場に向かった。


 接客の合間で辞典を読み返し、野菜の育て方を勉強する。


「異世界の野菜と言っても石灰と肥料と水でだいたい育つもんなんだな」


 ただし肥料については腐葉土、牛糞は分かったが、特に化学肥料については何のことかさっぱり分からなかった。

 その日は接客はほとんど上の空で一日を過ごした。


 三日目、朝


 ヤオは畑に向かった。

 行きかう朝の早い街の人と挨拶をしながら道を進む。


 転生野菜(単に野菜と呼ぶと他の野菜と混ざって紛らわしかったのでそう呼ぶことにした)はどうなってるかな?

 転生野菜を植えた一角を調べる。


 転生野菜を植えた土が、袋に入ってた土と同じ赤みを帯びた土に変わっていて、転生野菜の芽は少し伸びていた。


「大丈夫かこれ・・・毒じゃないよな?」


 不安になった俺は土を袋に入れ、農業学校で師事してもらった学者の家に持っていくことにした。

 

 夜、学者の家


「よう、久しぶりだなヤオ。こんな時間にどうした?」


「お久しぶりですガク先生。今日はちょっと見てもらいたいものがありまして・・・」


「見てもらいたいもの?」


「これです」


 ヤオは袋に入った土を手渡した。

 ガクはそれを受け取ってしげしげと眺める。


「やや赤いな・・・鉄分が豊富なのか?」


 そして聞いてくる。


「これ、どうしたんだ?」


「異国の商人から種とその土を買ったんだ。で、畑に蒔いたら土が赤くなっちゃって。ヤバい成分とか入っていたら困るから調べてほしいんだ」


 ヤオは少し誤魔化した。もし本当に異世界に関わるものなら大事にしたくない。


 ガクは興味深そうに土を眺め、


「なるほどね。いいぞ。二、三日くれ。調べてみる」


「助かる」


 久しぶりに会った二人はその後学生時代の話をしながら時間を過ごした。

ここまで読んでいただき有り難うございます。

評価とかしていただければやる気とか出ます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ