第16話 イサヤ戦役②
初戦で敵の空中魔獣部隊を退けたヤオ。
残る敵はゴブリン、オーク、コボルト、オーガ、サイクロプス。総勢800匹。
特に注意しないといけないのはオーガとサイクロプスだ。奴らの馬鹿力は街門をあっさり破壊する。街門を破壊されたら敗北は必至だ。
破滅の軍勢が迫りくる。魔物の進軍は大地をも揺るがす。そして街壁まで数十メートルという所で、
ドドドーン!
怪物たちの足元が破裂し、怪物たちが吹っ飛ぶ!
魔晶将軍は焦る。
「こ、今度は何だ!?」
ヤオは中指を立て挑発する。
「秘密兵器第二弾!ヤオ特製の『カボチャ地雷』だ!とくと味わえ!」
ドドーン! ドドドーン!
辺りに阿鼻叫喚の地獄絵図が姿を現す。
「クソっ!何としても街壁にへばり付け!街壁を破壊しろ!」
地雷原を突破した少数の魔物が街壁に近づく。
「秘密兵器第三弾!」
「まだあるのか!?」
ヤオは真上に手を上げる。
「タマネギ手榴弾点火!」
「手榴弾点火!」
「手榴弾点火!」
俺は水平に手を降ろす。
「タァマァネェギィ手榴弾!投擲ィ!」
「手榴弾投擲!」
「手榴弾投擲!」
街壁の上からありったけのタマネギが降り落ちてくる。
次の瞬間!
ドドドドドドドドォォォッガーーン!
無数の炸裂が魔物の軍勢を襲う。
「な、なんだとぉぉぉっ!」
魔晶将軍は狼狽する。
「ようやく私の出番が来たな!」
イサヤ領主が騎馬隊を引き連れて現れる。
魔晶将軍は悪夢でも見るように、
「ど、どこから現れた!?」
イサヤ領主はせせら笑う。
「別の街門からだよ間抜け」
そして水平に手を降ろし、
「全騎馬隊突撃!ただし地雷原には踏み込むな!」
「おおおおおっ!」
領主の騎馬隊が狼狽した魔王軍を駆逐していく。
「そ、そんな馬鹿な・・・」
魔晶将軍には悪夢の様にしか見えなかった。
「こ、これでは私が魔王様に殺されてしまう!せめて領主とあの小僧だけでも!」
「小僧がどうしたって?」
ヤオが将軍の前に立つ。
「小僧!貴様のせいで俺は、俺はぁっ!」
「ミミ!行けっ!」
「ガウガウ!(行っくよーっ!)」
ミミがヤオの背後から飛び出し将軍に飛び蹴りをかます。
「うざいわっ!」
将軍が片手で薙ぎ払う。
「私が相手よ!」
ハイドラが脚払いを掛ける。ミミに気を取られてた将軍が体勢を崩す。そこに、
「ハイドラ!ミミ!下がれ!そして喰らえ!タマネギ手榴弾!」
ドッカーン!!
タマネギ手榴弾が炸裂する。
「グワァッ!」
将軍が吹き飛ぶ。
魔晶将軍はふらふらと立ち上がり、
「ちょこざいな真似を・・・いいだろう。俺が魔晶将軍と呼ばれる所以を教えてやる!喰らえ!」
将軍は懐から魔晶石を取り出し発動させる!
そしてハイドラが叫ぶ。
「あっ!私の魔晶石!」
カッ!
半径50mが光と衝撃に包まれる!
「やったか・・・」
光と煙が晴れていく。
そこには無傷で立ってるヤオ達がいた。
「秘密兵器第四弾!ジャガイモバリアー!」
「嘘だぁぁぁっ!」
「私の大事な魔晶石をっ!」
ヒードラが将軍をぶん殴る。
将軍はふらふらとよろめき、
「これでトドメだ!ダァイコォンソォード!」
ヤオの一撃で真っ二つになった。
「これが・・・八百屋だ」
俺は拳を振り上げる。
周囲から歓声が上がった。
こうして後に言うイサヤ戦役の幕が下りた。
ここまで読んでいただき有り難うございます。
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