ご飯を探すネズミの冒険
寒い寒い冬の夜。
ネズミは街をうろうろしていました。
これからは寒い冬です。冬になると山には暖かい部屋や、たくさんのご飯はありません。
そこでネズミは冬をこす場所を探しました。
街に出れば暖かい部屋やたくさんのご飯があるに違いない。
ですが、暖かい場所はあるのですがごはんはありません。
(おかしぞ?なんでご飯がないのだろう?)
ネズミは不思議がりました。
そこにカラスが飛んで来て空の上からネズミに襲いかかりました。
「なにするんだ!」
ネズミはカラスへ怒りましました。
「それは俺のセリフだ。お前らが夜に全て食べるから俺のご飯が無いじゃないか」
ネズミは驚きました。カラスも同じ目的で街にやって来ていたのです。
「僕らのが全部食べているわけじゃないよ。今年の街は食べ物が少ないんだ」
「そうなのか?」
カラスは納得いかない様子でした。
「なんで今年はこんなに少ないんだ?」
「僕にもわからない。でも街にいる人間が少ないような気がする」
「そういえば開いている店も少ないぞ」
二人は考えました。そこにネコが通りかかりました。
「やあ。ネズミさん。カラスさん。こんばんは」
「ね〰️こ〰️〰️」
ネズミは 一目散に身を隠します。カラスも念のため身構えます。
「僕はネズミなんて臭い物は食べないよ。君らご飯が欲しいなら少し分けてあげるよ」
猫は二人をご飯に招待してくれるらしいです。
ネズミもカラスも心配しましたが、お腹が減っていたため猫について行くことにしました。
「さあ、ここだよ」
ネコは二人を大きめな公園に連れて来ました。そこらじゅうねこだらけ。ネコの街でした。
(流石にここは怖いよ)
ネズミは心の中で思いました。
「ここにいるとお婆さんがご飯をくれるんだ。あっ。来た」
お婆さんが公園に入るとネコの大合唱が始まりました。
(怖いって)
「あら。にゃん太。今日は面白いお客様もいるのね。ネズミさんカラスさんこんばんは」
お婆さんに挨拶をされたがネズミもカラスも出て行きません。
「あら、残念。ま、これだけネコがいると怖いのね。そうだわ。チュウキチ。カアベエ。こっちにおいで」
そう告げるとお婆さんは公園の外に行きました。
「僕、チュウキチだって」
「俺はカアベエだ」
名前を付けられ二人は嬉しそう。
お婆さんの後ろについて行くと、そこはおでんの屋台でした。
「母さん何処行ってたの。熱燗。それと大根とちくわね」
「はい、毎度」
「おチビちゃんはちょっと待ってね」
僕らに一声かけてからお婆さんは手際よく叔父さんに食事をだしていった。
「はい。お待たせしました。景気はどうですか?」
「ダメダメ。毎年この時期は飲み屋で人がいっぱいなのになー」
「そうですか。仕方ないですよね」
「ちくしょーつまんねえ年末になったな。母さん。もう一本」
「はいよ」
お婆さんはなにやら難しく話をしている。
僕らにはわからない。美味しい匂いは漂っています。
(お腹へったなあ)
「ごめんね。お待たせ」
そう言うとお婆さんは僕にはお芋。カアベエにはソーセージをくれました。
「「ありがとう」」
二人はめでたくご飯にありつくことが出来ました。
めでたし。めでたし。