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第8話:いざ! 無謀クエスト!

 タクヤたち冒険者一同は、ギルド酒場受付の後方に位置する扉からつながる螺旋階段を降り、また扉を開ける。

すると転送ゲートの大穴が空中に開門し、その円形の大穴の中心に向かって何か禍々しいオーラのエネルギーが渦巻いていた。

 そう、転送ゲートの正体は闇属性の魔法なのである。

「ううっ……、転送ゲートってのは何度見ても薄気味悪いぜ」

「ひゃっはああああっ! あんちゃんよォ? 冒険者がそんなみみっちいこと言ってんじゃねーぜー! ゔぉおおおああああああああああ――!」

 ギュイーン!

 危険度MAXなクエスト案件なためそこまで乗り気ではないタクヤを見て、別のギルドの冒険者は持っているギターを鳴らしながら吠えていた。

「ふふふ、全く騒がしいです、な。最近の若者は……」

 ベテラン風の剣士の男は腰に下げているサーベルの様子を見るため、少しだけ刀剣を抜きかけ、刀身を観察しながらそう言う。

 久々に使おうとした刀剣が錆びついててうまく抜刀できず、先に攻撃を受けて死ぬというケースも案外珍しくないため、定期的にそうした行動を取る剣士は分かっているな、とタクヤは率直に思うのであった。


「ところで、其処元はギガントトロルについてどのようにお考えで?」

ベテラン風の剣士の男は突然タクヤの方に振り返り、質問を投げかけてきた。


「……正直なところ、このクエストはかなりやばいと思っています。ギガントトロルについて先程少しだけ調べましたが、SSランクの冒険者が参加していないと勝てる見込みはないと思います」

「おっほっほ!お若いのに落ち着いてらっしゃる。しかしながらですな、お奇遇なことに私及びパーティメンバー全員そのSSランクの冒険者でしてね。でも君たちは危険だから後ろで我々の戦いぶりを見ていなさい、な」

「できればそうさせてもらいます……」

 タクヤは当クエスト参加に消極的な態度を示すが、ベテラン剣士とタクヤのやり取りを横で聞いていたフレデリカは、

「ぐぎぎぎぎぎぎぎぎぃいいいいいい――――! なんっなのよぉ――! あのクソジジイ! この私を舐めやがって――! この私を――!」

「舐められてるのに俺も含まれてるけどな」

「私はSSSランクの冒険者になると約束された女なのよぉ? そう!戦女神ヴァルキリーと呼ばれて崇められるのよぉ?ギガントトロルごとき、通過地点に過ぎないわぁっ!」

「糞だろぉ~。何でお前のランク上げに付き合わにゃならんのだ? 日銭が稼げる程度のクエストで十分なのにぃ~」

 フレデリカはバランスの良い乳房で自信たっぷりに胸を張る。拳を握りしめて。

 一方のタクヤはため息を付いて呆れている。


「準備はいかがでしょうか? 整いましたら順番に転送ゲートをくぐってくださいね」

 ツアーガイドのような旗を持ったスキャッタさんは冒険者たちに促す。

「ひゃっはぁあああああ! 魔物は消毒だぜぇ~!」

「ウェ~イ!倒したやつが、焼肉おごってもらうってことで!」

「私の剣が血を吸いたがっているようです、な」

 スキャッタさんに促された冒険者たちは転送ゲートに吸い込まれていった。

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